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マグロ類の分類学的研究( 5 )
 
京都大学みさき臨海研究所特別報告別冊
Misaki Marine Biological Institute Kyoto University Special Report
No.2, pp.1〜51 February 20, 1965
 
岩井保・中村泉・松原喜代松:マグロ類の分類学的研究
IWAI, T., I. N and K. MATSUBARA: Taxonomic Study of the Tunas
 
ミナミマグロ(インドマグロ・ゴウシュウマグロ)T. maccoyii《CASTELNAU》)(第3表:ミナミマグロの学名)
本種はすでに1872年にCASTELNAUによってThynnus maccoyiiと記載されている。ところが、採集される頻度と個体数が少なく、オーストラリア近海からときどき採集される程度であったので、オーストラリア以外の国の多くの研究者はこれをクロマグロ(Thunnus thynnusあるいはT. orientalis)のシノニームとして取扱った。オーストラリアでは、研究者のほとんどが種 Thunnus maccoyiiあるいは亜種 Thunnus thynnus maccoyiiとして認めている(第3表)。FRASER-BRUNNER(1950)は誤ってミナミマグロをメバチのシノニームとしている。1952年から日本漁船がオーストラリア西岸沖へ出漁するようになり、インドマグロと称して多くの水揚げをみるようになった。つづいてオーストラリア東岸沖からも漁獲されるようになり、これはゴウシュウマグロと名づけられ、漁獲量は急激に増加した。漁場が拡張されるにつれて、本種の分布・生態もしだいに明らかにされ、近年ではインド洋から南太平洋の東部海域まで分布することが明らかになり、種として認められるようになりつつある(ABE 1955;MIMURA 1962:阿部 1963)。しかし、JONES and SILAS(1960;1962)などはなお本種を太平洋産のクロマグロ Thunnus thynnus orientalisのシノニームと考えている。
 

●種の記載

呼称
インドマグロ;ゴウシュウマグロ;バチマグロ。
Southern bluefin tuna(オーストラリア・ニュージーランド)。

外部形質
第1背鰭13〜14棘。第2背鰭14〜15軟条。背鰭副鰭8〜9。臀鰭13〜14軟条。臀鰭副鰭7〜9。胸鰭30〜34軟条。1縦列の側線鱗数約220。第1鰓弓の鰓耙数:上枝9〜13;下枝21〜28;総数31〜37。
体形はクロマグロに似て紡錘形で肥満する(体長は体高の3.6倍;尾叉体長は体高の3.5〜4.0倍)。頭は円錐形で大きい(体長は頭長の3.3倍;尾叉体長は頭長の3.3〜3.6倍)。尾部はやや細長い。全身は小円鱗でおおわれる。成魚では胸甲は不明瞭であるが、この部分の鱗は大きい。側線は明瞭で、胸鰭上で彎曲する。胸鰭はやや短く(体長は胸鰭長の4.4〜4.5倍;尾叉体長は胸鰭長の4.8〜5.5倍)、第2背鰭下に達しないが、クロマグロのそれと比較するとやや長い。第2背鰭は第1背鰭よりわずかに高い。第2背鰭と臀鰭はほぼ同形同大。眼はクロマグロのそれよりやや大きい。口裂は大きく、後端は眼下に達す。両顎に小円錐歯がならぶ。嗅房の外半部に肉質隆起が発達しない。嗅板は発達し、多くの個体ではその縁辺に切込みがほとんどないが(第12図E)、ときには切込みがいくらかあることもある。
第1背鰭の鰭膜は黄色。第2背鰭と臀鰭は黄色。副鰭は黄色で縁辺は黒色。体の背部は濃青色、腹部は銀白色。尾柄隆起が多少黄色いのが顕著な特徴。若魚では体側に十数条の淡色横帯がある。

  第12図
マグロ類の嗅房模式図。
A. ビンナガ
B. メバチ
C. クロマグロ(成魚)
D. クロマグロ(若魚)
E. ミナミマグロ
F. キハダ
G. コシナガ
H. タイセイヨウマグロ
 

内部形質
体腔背壁の筋肉は腹腔へ向かって著しく隆起していて腹腔は狭い。肝臓は3葉よりなり、中葉が最大。肝臓の腹面に多数の脈管条がならぶ。皮膚血管系はよく発達し、第5脊椎骨の位置に始まり後走する。
頭蓋骨の篩骨域は幅広い。上後頭骨隆起の後端は第2脊椎骨上に達す。左右の翼楔骨は腹面で接合し眼窩の中央部まで突出するが、副楔骨に接着するようなことはない。基底後頭骨の後突出部の後縁はほぼ直角。
完全血管弧は第10脊椎骨に始まる。血管弧の先端はやや側扁する。腹椎骨の後血管関節突起は短く、あまり突出しない。側突起はあるがあまりよく発達しない。椎体下孔は小さく、第22脊椎骨に始まる。第1血管棘は棒状。脊椎骨数:18+21=39。

最大体長
大型のマグロで体長190cm前後に達す。

分布
オーストラリア西沖のインド洋東部からオーストラリア南岸・南東岸・ニュージーランドを経て、南太平洋東部のペルー沖まで分布する。すなわち、インド・太平洋の南半球水域に広く分布する。

付記
本種は1952年頃からオーストラリア西岸沖のインド洋でまとまって漁獲されるようになり、インドマグロと一般に呼ばれてきた。その後オーストラリア東岸沖にも漁場が開発され、ここで漁獲されるものはゴウシュウマグロと名づけられ、前者と区別された。しかし、これらはともに同種であり(三村・藁科 1962)、上記のように分布域が広いのでインドマグロとかゴウシュウマグロというような地域名を和名として用いるのは好ましくなく、かつ混乱のおそれがある。できれば種の特徴を生かすような和名を与えるのが望ましいが、適当な名がないので、分布が南半球に限られるという意味でミナミマグロを本種の和名として使用することをここに提唱する。
 ミナミマグロは記録のうえでは標本が少なく、しばしばクロマグロとして、あるいはその亜種として取扱われてきた。1952年頃に日本漁船がインド洋東部に漁場を開発していらい、漁場は急速に拡張され、漁獲量も多くなり、日本でも市場をにぎわすようになった。たしかに本種はいくつかの分類形質においてクロマグロに類似するが、インド洋東部とかニュージーランド近海のように本種が漁獲される海域でクロマグロも漁獲されることを考慮に入れ、種々の分類形質を比較検討したところ、本種を種として扱うのが望ましいという結論に達した。
 SERVENTY(1956)はT. phillipsi JORDAN and EVERMANNを原記載の写真から判断してT. maccoyiiと同種であろうとしているが、この写真の標本の胸鰭がやや短いようなので、ここでは一応T. thynnusつまりクロマグロと推定した。

 
 
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