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ビッグゲームを取り巻く環境と制度について( 17 )
 

北方四島一次産業調査(1):択捉島まで

家島事件をしばし休題し、今回から数回にわたり、私が9月に参加した北方四島一次産業調査の様子を、写真も交えながらご紹介したいと思います。

この調査は、北方四島の自然環境や野生生物を研究しているNPO北の海の動物センター(北海道大学の北方四島に関する研究グループが前身)の主催で、ビザなし交流の一環として行われている調査・研究活動です。これまで行われてきた自然環境調査の結果、この北方四島は流氷の南限でもあり、陸域や湿地帯、海域ともに非常に豊かで多様な生態系が確認されました。特に海洋性哺乳類(鯨・シャチ・イルカ・ラッコ・トド・アザラシなど)は顕著に高い密度で生息していることもわかってきました。

そこで今年度は、そのような自然とヒトとのかかわり、すなわち一次産業について調査を行うこととなり、北海道大学農学部畜産学科教授の高橋誠司博士を団長として、2004年9月14〜21日の8日間、北方四島のうち択捉島と色丹島で調査を行いました。北大農学部、北大水産学部、NPO、外務省、環境省、同行医師、通訳、そして私の総勢12名の調査団で、私は水産調査班の班長として主に水産業の現状把握を目的として参加しました。

オホーツク海の時化はなかなかのものでした。

 
 
学生時代、船には調査で相当回数乗りましたが、今回、480トンの船で生まれて初めて本格的に酔いました。前夜の酒がかなり残っており、二日酔いが船酔いに追い討ちをかけたようです。その飲み会で同行医師が「船酔いしそうになったら、早めに私のところにきてください。漢方薬を事前に飲めば大丈夫です。一番良い薬をもってきました」と胸をたたいていたのを思い出し、薬をもらいにいったところ、その同行医師は一足先に完全にダウンしていました。結局彼は投錨まで一度も部屋から出られませんでした。この一件で、調査団における医師としての彼への信頼は失墜したのです。その後の彼の主任務は団長のマッサージ師となりました。ちなみにその数日後、団長が私の出身高校のラグビー部の二十数年先輩と判明し、以後私の主任務は団長の荷物持ち兼聞き取り調査先で出されるウォッカを飲む係となりました。
  航海中、還暦をとうに過ぎているであろうベテラン船長とブリッジでよく話をしました。彼は元々は漁師で、これまで40回以上ソ連に拿捕されたことが自慢です。それでも、ほんの少しソ連海域に入るだけで、驚くほど魚が取れたそうです。これは確かに漁師の行動原理です。拿捕中に監獄で食べた黒パンの味が忘れられないと言っていました。
24時間以上の航海を経て、ようやくついた択捉の夜明けです。日本(領土)で最も早い夜明けを写真にとってみました。
 
投錨してから上陸までは、乗組員も総出で釣り大会(食料調達)です。あまり海釣りに詳しくないのですが、とにかく入れ食いでした。北海道大学釣り研究会に所属しているという学生に指導してもらい、私も糸をたれて2分ほどで、43cmのカレイをあげました。
 
そのほかにもこの近辺の海域ではアイナメも良く釣れていました。釣った魚は料理長がその場でさばいていきます。
     
 
 
ちなみに、四島に住むロシア人も遊漁が大好きです。後日地元のロシア人と釣りの話をしていたら、彼は今年150kgのオヒョウを釣ったと自慢していました。日本では考えられない大きさですね。
この後、絶対に時間を守らないロシア国境警備隊のハンコをようやく得て、北方四島に足を踏み入れます。地区長(市長)に表敬訪問した後、早速聞き取り調査を始めました。次回は北方四島の水産業の様子をお伝えします。
 

 

筆者プロフィール
牧野 光琢(まきの みつたく)

1973年佐賀県唐津市生まれ。愛知県立旭丘高校卒業後、京都大学農学部水産学科入学。ケンブリッジ大学修士を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は環境政策論。主に海と人との関係について、制度学・経済学的手法と自然科学的知見の結合を目指す。尺八奏者としての号は「琢水」。
HP:http://risk.kan.ynu.ac.jp/makino

 

 
 
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