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HOME KAZIKI カジキの研究報告 ポップアップ式衛星通信型タグとは?

マグロ・カジキの行動を知る最新機器の登場
Excellent high-tech device to reveal the migration of tunas and billfishes

What's the Pop-up satellite tag ?
ポップアップ式衛星通信型タグとは?

高橋未緒・Mio Takahashi

1971年鹿児島県生まれ。京都大学水産学部卒。1996年に水産庁に入庁し、水産庁東北区水産研究所を経て、現在は独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所 近海かつおまぐろ資源部 まぐろ研究室に所属。クロマグロ等の資源生物学的研究に携わる。趣味はスキューバダイビングなど。

 
 

大海原をダイナミックに泳ぎ回る高度回遊性魚類。その代表格であるまぐろ・かじき類が実際にどの様な場所で生息し、どの様なルートを回遊しているのか、ということは生物学的・水産資源学的に重要なのは勿論、漁業者や遊漁者にとっても重大な関心事であり、多くの人に興味深いテーマである。しかし陸上生物とは異なり、未知の領域ともいえる海の中を3次元的に泳ぎ回る魚類の行動生態を把握するのは至難の業である。
そのような水生生物の移動を解明するための強力なツールが、近年のIT技術の進歩により開発されてきた。ここでは「ポップアップタグ」に代表されるハイテクIC標識についてご紹介する。

ポップアップ式タグってどんなもの?

◆追跡型タグの歴史◆

標識放流という手段は、魚の移動・回遊を調べるために古くから用いられてきた。しかしながら、通常の標識では運良く標識個体が再捕されても、いつどこで再捕されたかが分かるだけで、そこに到るまでの経路は知ることができず、再捕データを数多く集積することで全体像を推定するしかなかった。しかし1990年代に入るとテクノロジーの発達に伴い、電子回路を組み込んでデータを記録できるハイテクIC標識が次々と開発された。特に、「アーカイバルタグ」と呼ばれる記録型標識では、水温や水深などの環境情報のセンサーと、そのデータを記録するメモリを内蔵しており、標識をつけた魚がどのような水深・水温帯を泳いでいたかを詳細に記録するとともに、照度センサーのデータをもとに、おおよその位置を算出することができるようになった(図1、下のタグ)。つまり、電波が届かずGPS等の位置情報が利用できない水中でも、「明るさ」の情報から日の出、日の入り時刻を推定することにより、およその位置を算出できるシステムを標識に搭載したのである。このような位置推定機能を持つ電子標識、アーカイバルタグによって、魚の移動経路に関する知見は飛躍的に進歩した。すなわち放流地点から再捕地点までの移動を直接追跡せずとも把握できるようになったのである。しかし、このように貴重なデータが得られるアーカイバルタグも、この標識装着個体が再捕回収されなければデータを入手することができない。そこで、1990年代後半に開発されたのが「再捕を必要としない」ポップアップタグといわれる衛星通信型の標識である。

  図1:ポップアップタグとアーカイバルタグ。上から、MT社、WC社のポップアップタグで、下がLOTEK社のアーカイバルタグ。

◆名前の由来とその特徴、性能、価格など◆

ポップアップタグは、内蔵した時限装置により、その名の通り設定日時が来ると自動的に魚体から切り離され(pop)て、浮上(up)し、衛星を介して浮上した位置やそれまで蓄えたデータを送ってくれる、という優れものである。放流から浮上までの設定期間は任意に設定できるが、電池寿命の関係で最大1年である。
初期のポップアップタグは、浮上位置のほか放流後の水温情報を送信するのみであったが、前述のアーカイバルタグの機能を取り込み、照度センサーによる移動経路の推定も可能なものも続いて開発された。これを「ポップアップアーカイバルタグ(:PAT)」と呼び、浮上位置に加え、放流から浮上までの推定位置、水温、水深情報が入手できる。現在ではポップアップタグというと、このPATを指すことがほとんどである。照度による位置推定機能に加え、衛星を利用したデータ送信機能を持つ、まさに最新の技術を組み込んだ標識と言える。データ取得率は100%とまではいかないものの、50〜95%の確率で得られている。
ポップアップタグはアメリカのMicrowave Telemetry社(MT)が開発したものであるが、現在では同国のWildlife Computers社(WC)でも同様のものが製造され、主にこの2社で販売されている。両者の見た目は非常によく似ており(図1)、センサーやメモリを搭載したタグ本体部分、水面に浮くためのフロート、データを発信するアンテナから成る(MT社製:本体長18cm、アンテナ16cm、最大直径4cm、重量68g WC社製:本体長17.5cm、アンテナ12.6cm、最大直径4cm、重量75g)。価格もほぼ同等で50〜60万円である。しかしこの2種のタグは、設定方法も得られるデータフォーマットも大きく異なる。WC社のタグはパソコンと専用ソフトさえあれば、ユーザーが浮上日やデータの取得間隔など、細かい設定を自由に変更できるが、設定項目が多すぎて煩雑である。MT社のタグはメーカー側が全て設定し、ユーザー自身では何も手をつけられないので、メーカー任せという点では楽だが、設定を変えたい時には毎回アメリカ本社までタグを送り返さなくてはならないという不便さを併せ持つ。

 

ニシクロカジキの遊泳水深

図2:ポップアップタグで得られたニシクロカジキの遊泳水深データの例。下がMT社、上がWC社製のポップアップタグで得られたもの。

 

また、衛星に送れるデータ量には限界があるため、両者それぞれ異なるデータの縮小方式をとっている。WC社は、ユーザー任意のヒストグラム形式(図2、上)を取っており、数秒〜数分単位の水深・水温データを、最終的に一定時間ごとの頻度分布に変換する。サンプリング間隔が細かいので分布水深や水温帯をより正確に把握できるが、その反面途中で何か行動に変化が起きても、いつの時点で起こったのか分かりにくい場合もある。MT社は、サンプリング間隔を1時間おきにすることで、データ量自体を少なくする方式を取っている(図2、下)。そのため経時的な変化は分かるが、細かな遊泳行動まで把握できない。 どちらもそれぞれメリット、デメリットがあるので、ユーザーの使用目的に合わせて選択すべきである。

どんな魚を対象にしているのか?

ポップアップタグは本体が大きく外部装着を必要とするため、大型魚類への装着を前提としている。1997年に大西洋においてクロマグロの回遊調査に初めて使用され、その後は地中海のクロマグロやその他のまぐろ類、さめ類等で利用されている。使用され始めた当時は200kg前後の大型個体に装着していたが、最近の経験から100kg超の個体ならタグ装着に問題ないことが分かってきた。20kg弱のビンナガや30kg弱のマカジキに装着したポップアップタグからも、短期間だがデータが無事回収されているので、個体の状態が良ければこのサイズでもタグ装着に耐えうる。ただし長期間のデータを得るつもりなら、より大型の個体に装着した方がよいだろう。
 再捕の必要がないことがポップアップタグの最大のメリットであり、従来の標識再捕率が低い魚種や、漁業の行われていない海域における回遊情報の収集にとても効果的である。逆に、再捕率がある程度見込める魚種であれば、アーカイバルタグを使用する方がより長期間にわたって数分間隔の遊泳行動に関する詳しいデータが収集できるため、コストパフォーマンスに優れる場合もある(アーカイバルタグは1本15〜20万)。しかし、限られた期間で確実にデータを入手したいという短期決戦の場合は、ポップアップタグに勝るツールはない。アングラーに人気の高いかじき類は、これまでの通常標識の研究例でも標識再捕率は非常に低い(0.5〜2%)ことが分かっており、まさにポップアップタグ向きの魚種といえよう。

タグ装着方法とそのキーポイント

それではどうやって実際に装着するのか。簡単に言えば、1. 魚に極力ダメージを与えずに、2. 適切な箇所へ、3. 抜け落ちないように、速やかに装着する事が大切である。当たり前の事だが実際はなかなか難しい。「これがベストだ!」という方法は未だ確立されておらず、現在でも試行錯誤を続けながらよりよい方法を模索している。
1. については、まずダメージを与えないように魚を捕獲することだ。これには釣り(遊漁を含む)や延縄での捕獲が比較的適していると思われる。勿論装着前に、捕獲個体が元気か、針掛かりの位置は悪くないか、出血がないかなどチェックは欠かせない。また魚を傷つけたり弱らせることなく速やかに標識を装着するために、我々は手銛を用いた突きん棒方式を採用している。タグをナイロンテグス(100号前後)や接続用の糸(強度が高く、摩耗・疲労に強いもの)で矢尻と結びつけ、手銛の先端に固定し(図3、上)、捕獲した魚を船側に寄せて狙いを定めて打ち込む。まさに一瞬の勝負である。
2. については、1つには鰓や脊髄、内臓という急所を傷つけないこと、もう1つには飼育魚による実験結果を考慮して、適切な装着箇所として第1背鰭前方の横あたり(図3、下)を推奨する。

2. については、1つには鰓や脊髄、内臓という急所を傷つけないこと、もう1つには飼育魚による実験結果を考慮して、適切な装着箇所として第1背鰭前方の横あたり(図3、下)を推奨する。
以前に行ったクロマグロの標識装着実験結果では、装着部位とタグの脱落、魚の損傷には密接な関係があることが分かった。つまり、ポップアップタグを第1背鰭前方付近に装着した場合、タグは体側に沿うように安定して曳航されていたが、第2背鰭の横など体の中間から後方に装着した場合、タグが曳航中に激しく揺れて体側や尾鰭に当たってスリ傷を付けたり、1ヶ月以内に脱落してしまった。これは、タグが振れる事で曳航時の抵抗が大きくなったことや、装着箇所の傷口を広げてタグを抜けやすくしてしまったことが原因と考えられる。まぐろ・かじき類の様に胴体の後半部分を大きく左右に動かして高速遊泳する魚は特に注意しなければならない。
 
図3:タグの銛先周辺の構造(上)とタグの装着目標位置(下)。
 
3. については、装着する際に可能な限り船の近くまで魚を引き寄せて、背鰭基部にある骨に矢尻を引っ掛けるように打ち込むと、筋肉装着よりも確実に抜け落ちを防止できる。まぐろ類は船上に引き上げて、確実に手元でタグを打ち込む事もある。しかし、かじき類はハンドリングに弱く、甲板に引き上げるやり方は死亡率を高めるのであまりお勧めできない。また、矢尻部分の形状や素材も重要な検討材料の一つである。前述の船上装着のように確実にスポット狙いで装着可能な場合はかなり小さいサイズの矢尻でも問題ない。しかし、船上から海中の魚を狙う場合(図4)は、矢尻が骨にうまく引っ掛からず筋肉装着となることが多いので、魚の負担にならない範囲でなるべく大きいものを用いた方が、抜け落ちにくく安心だ。また矢尻の素材に関しても、従来のプラスチックやステンレス(図5)だけでなく、魚体内での影響が少ないようチタンやハイドロキシアパタイトなど生体親和性の高い素材を用いての作成も検討している。
その他、大型のまぐろ類を瞬間的に動けなくする方法も大学や研究機関で研究されている。大型の魚は麻酔薬を投与してもなかなか効かないが、瞬間的に弱い電流を流すと、ショックで仮死状態になり、しばらくすると無事に蘇生することが報告されている(日本栽培漁業協会、私信)。これはまだまだ実験段階だが、実用段階になればタグ装着への応用も期待できる。

図4:カジキへのポップアップタグ装着。大西洋でのタグ調査で、延縄で漁獲されたクロカジキにタグを打つ瞬間。暴れるカジキに対してのタグ装着は、狙いを定めることさえ至難の業だ。
写真提供:余川浩太郎(遠洋水研)
 
図5:矢尻各種。写真右側のプラスチック製の小型矢尻は主に欧米で好まれ、まぐろ・かじき類のタグ装着に使用されている。平たいタイプ(写真中)はサメへのタグ装着時に用いられる。日本での使用が多いのは、漁業でも使用するステンレス銛(左の2つ)で、長さ5〜8cmの物である。
 

ポップアップタグによる成果(まぐろ・かじき類)

◆全世界◆

1997年以降、米国、オーストラリア、日本の研究者によってポップアップタグが徐々に使用され始め、ここ1,2年で使用数が増加してきた感がある。これまで大西洋のクロマグロ、クロカジキ、マカジキ、メカジキ、メバチ、地中海のクロマグロ、オーストラリア周辺のミナミマグロ、シロカジキ、太平洋のクロマグロ、シロカジキ、クロカジキの調査例がある(図6)(Lutcavage 1999, Block 2001, Gunn2001, Gunn2002, Sedberry 2001, Graves 2002, 遠洋水研 未発表)。中でも特筆すべき成果は、最初に標識装着を行った大西洋でのクロマグロ調査であろう。この時は約100尾のクロマグロにタグを装着し、9割以上のデータ回収に成功した。この結果とアーカイバルタグの調査結果と合わせて、クロマグロ親魚の多くが大西洋を横断し、東と西を行ったり来たりしていることを明らかにした。
ポップアップタグは開発から5年しか経っておらず、論文等で報告されたものは未だ数える程であるが、今後次々と成果が上がってくるのは間違いない。

◆日本近海◆

日本近海では、遠洋水研によるクロマグロ大型魚へのポップアップタグ装着例がある。沖縄周辺で5〜6月に産卵を行うクロマグロの産卵親魚に対して行った調査で、筆者も民間のはえ縄漁船に便乗してタグ装着を行った。2000年からの3年間で計11個体放流し、そのうちデータが回収されたのは6個体と少ないが、それでもクロマグロ親魚が、産卵後に黒潮に乗って北に向かう場合、産卵場付近に留まる場合、南下して赤道を越えて南へ下る場合などバリエーションに富んだ回遊を行っている事が分かってきた(図6)。

 

図6:ポップアップタグ調査が実施された海域。赤の矢印は、クロマグロ産卵親魚タグ調査で得られたクロマグロのおおまかな移動方向。
 

その他のタグによるかじき類の再捕データ

カジキ類は標識再捕率が低い魚種であり、日本近海では通常標識の再捕例はない。アーカイバルタグについては、幸運にも1個体のメカジキが再捕されている。この個体は重量が200kg近い大型の個体で、1999年7月に三陸沖でタグを装着され、約1年後にほぼ同じ場所で再捕された。回収されたタグのデータから、このメカジキは夏〜秋は北海道沖に、冬は沖縄よりも南へ移動し、季節的な南北回遊を行っていたことが判明した。(図7、上)また、夜は表層へ、昼は200〜900mの深層へ、という日周鉛直移動を行っていることも分かった(図7、下)(Takahashi 2001)。これらは単なる通常標識では絶対に得られない情報であり、高機能タグならではの成果の1つであろう。

 

図7:メカジキの推定移動経路(上)とタグに記録された水温水深データ(下)。
照度センサーのデータはこの時使用不可であったが、記録された水温データと海洋情報から大体の移動経路が2パターン推定された(上図のRoute 1とRoute 2)。
また、下図の水深水温データから、日周鉛直移動を行っていたことが分かる。
 

ポップアップタグの問題点と今後の課題

しかしこのタグには難点もある。一つには位置推定の精度。明るさの情報から位置を推定する方法はアイデアとして単純明快だが、実際の計算は困難である。光の強さはその日の天候によっても大きく左右される。また、水中における光の届き具合も、その魚のいる深度や、水の濁り具合で大きく左右され、それが位置推定の精度に大きく影響する。現在のところ経度方向で±1°、緯度方向では±3°の誤差がある。「この魚はどういう場所が好きなのか? なぜそのルートを辿るのか?」を考える際に、緯経度方向で1゚異なると海洋環境や餌環境など、その海域の状況との関係を探る事が難しくなってしまう。位置推定のシステムに関しては、ソフト面・ハード面共に改善が必要であり、メーカーと我々研究機関が共に取り組むべき課題である。
また、設定日時通りに浮上しないタグが多いのも悩ましい問題の1つである。これまで遠洋水研では60本以上のポップアップタグ装着を行っているが、無視できない数のタグが設定よりも早期に浮上したり、一定時間を経過しても全く応答が無く行方不明となっている。これには魚の死亡やタグの脱落、タグ内のバッテリー低下など様々な原因考えられるが、検証不能な場合が多い。一昨年あたりから、どのメーカーのタグにもエマージェンシーリリース機能(タグが魚から外れて表層に浮いてしまった場合や、魚が死亡して沈んだ場合に一定水深よりも深くなると切り離し装置が働いて浮上する機能システム)が追加され、行方不明のタグは減少した。前述の通りタグ装着のベストな方法はいまだ探索中であり、長期での魚の移動追跡に成功するためにも、フィードバックを繰り返しながら装着方法の改良に取り組んでいるところである。

最後に…遠洋水研とは?

◆遠洋水研の役割と目指すもの◆

遠洋水産研究所の主な仕事は、日本の漁業が国際的に問題なく継続できるよう、漁業の対象種や混獲生物などの水産資源が、「現在どれだけいるのか? 増えているのか減っているのか?」をより正確に把握し、資源を崩壊させずに適正な漁獲を維持できるようにモニターしていくことにある。特にまぐろ・かじき類のような高度回遊性魚類は国際的な管理の下に置かれることが多く、その中で一大漁業国である日本の果たす役割は大きい。
資源の状態を的確に診断するには、漁業の情報だけでなく生物学的な情報が重要である。例えば、大西洋に分布するニシクロカジキについて、従来のCPUE(単位努力量あたり漁獲量)を用いた資源解析では資源が悪化しているという結果となるが、生物学的情報を取り入れた最近の「ハビタットモデル」により再計算されたCPUEによると資源状態は健全という結果となり、国際的な議論の的となっている。ハビタットモデルとは、今回紹介したハイテクIC標識などの情報から得られた対象魚種の水深帯別分布確率、海洋環境データ、及びカテナリーモデル等から推定したはえ縄漁具の水深帯別分布確率を用いて、対象魚種に対する各操業の有効努力量を直接推定する方法である。従来から一歩進んだ手法として注目度・期待度は高い反面、肝心な生物学的情報が限られているため、未だ万人を納得させるには到っていないのが現状である。いずれにせよ我々にとって重要なのは、こういった資源解析結果の推定精度を向上させ、より事実に近い資源状態を把握する事である。そのためには、まぐろ・かじき類の生態に関する情報を少しでも多く集める必要がある。
これまでのところ、我々の研究所によるポップアップタグ装着の8割近くが、国際的に問題の多い大西洋におけるまぐろ・かじき類に対して使用されてきた。今後は太平洋での装着実験も力を注いでいく予定である。ここ遠洋水産研究所では、筆者が担当するまぐろ・かじき以外にもさめ類やうみがめ類、イルカ・クジラの研究部門があり、同様に生態解明を目指してポップアップタグ装着の試みを行っている。

◆アングラーの方々へーご協力のお願いー◆

アメリカやオーストラリアのビルフィッシャーは、古くから漁獲報告や標識放流活動を通じてカジキ資源を保護するための研究活動に積極的に参加している。現在ではこうした努力が広く認められて、アメリカやオーストラリアのビルフィッシャーが提供する情報は、これらの水域のカジキの管理・保護に無くてはならないものとなっている。
ポップアップタグから得られる情報は、まぐろ・かじき類の生態を知る上で貴重な情報を提供し、太平洋のカジキ資源の管理・保護のための研究にも大いに役立つものである。我々もJGFAを通じてアングラーの皆様にご協力頂きながら、このようなタグ調査を行い、お互いに有益な情報を提供し合えたらと願っている。
アングラーの皆様、私たちと共にまぐろ・かじき類のタグ&リリースを通じて、まぐろ・かじき類生態の謎の解明に挑んでみませんか?

 

●参考文献

・Lutcavage M, Brill R, Porter J, Skomal G, Chase B, Howey P (1999) ICCAT working document SCRS/99/104
・Block BA, Dewar H, Blackwell SB, Williams TD, Prince ED, Farwell CJ, Boustany A, Teo SLH, Seits A, Walli A, Fudge D (2001) Science 293: 1310-1314.
・Graves JE, Luckhurst BE, Prince ED (2002) Fish Bull. 100:134-142
・Gunn J (2001) Handbook and abstract of Third International Billfish Symposium, August 2001, Raddison Plaza Hotel, Cains, Australia., pp16
・Gunn J, Carter T, Stanley C (2002) CCSBT Working document SC/0209/36
・Metrio G et al. (1998) ICCAT working document SCRS/98/55
・Sedberry GR, Loefer JK (2001) Mar. Biol. 139:355-360
・Takahashi M (2001) Handbook and abstract of Third International Billfish Symposium, August 2001, Raddison Plaza Hotel, Cains, Australia., pp23

 
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