このトーナメントには、米国、カナダ、英国、ニュージーランド、オーストラリア等から多くの著明なアングラーが集い、IGFA設立の立て役者となったマイケル・ラーナーや、エリウッド・K・ハリーをはじめ、多くのIGFA関係者も参加している。また、ビッグゲームを愛する各界の名士も多く集い、同時に純粋に釣りと海を愛する無名のアングラー達も競って参加したことが、この大会の格式と名誉を確かなものとした。
日本にも、30年、40年、そして50年と語り継がれる格調あるフィッシング・トーナメントがそろそろ誕生してもいい頃だろう。フィッシング・トーナメントを維持して行くことは、同時に豊かな海を維持することの前提があってこそ成り立つものであり、単にトーナメントの運営のみを考えるだけでは片手落ちとなることは言うまでもない。結果、釣魚のリサーチと共に環境の保護、効果あるリリースという発想も生まれてくる。日本では非常に高い値のつくクロマグロゆえに、その価値を最大限に活かすためのトーナメントの有りようが問われることになる。すでに国内ではビルフィッシュ・トーナメント、またアヒ(キハダ)・トーナメントも開催されている。本格的なブルーフィン・トーナメントは国内ではまだ前例が無いだけに、是非とも実現したいものである。スポーツ・アングラーの在り方、チャータ・ボートの在り方、職漁師との対話、地域イベントとしての在り方等を最も望ましい方法で探ることは難しいことであるが、対象魚がクロマグロであるだけに、格式ある、スポーツマン・シップにのっとったトーナメントとして成立すれば、その波及効果は非常に大きなものがあるだろう。
須賀安紀 |