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SPORTFISHING RESORT, MAURITIUS
モーリシャスの海


ガイド/山本光平
写真/津留崎健、山本光平

モーリシャスはエキゾチックな島だ。フィッシング・トーナメントも年々盛んとなり、毎年、さまざまなトーナメントが開催されている。サワラ、キハダの魚影は非常に濃いが、ブルーマーリンのグランダーもターゲットだ。

 
 

  モーリシャスは、注目のスポーツ・フィッシング・リゾートである。キハダ、オキサワラ、イソマグロの魚影は非常に濃く、何よりもブルーマーリンのグランダー(1,000ポンド・オーバー)を狙えるのが魅力だ。ハワイ島コナ沖、アフリカのアイボリー・コースト、大西洋上のアゾレスと並び、ビッグ・ブルーを狙うアングラーにとって、モーリシャスは人気急上昇の島である。国際的に知られたトーナメントとしては「555(スリー・ファイブ)マーリン・ワールド・カップ」があるが、ここでは「AUSTRALIASIA MAURITIUS FISHING CHANPIONSHIP(オーストラリアジア モーリシャス フィッシング チャンピオンシップ)」を中心に、モーリシャスの現状をリポートしてみたい。
 
チャーターボートと注意すべきフィッシング・メソッド  
モーリシャスのチャーター・ボートは、一般的に南アフリカ製、またはライセンス生産のFRPボートで、36〜42フィート・クラスが多い。エンジンは85〜100馬力のディーゼル・インボード・タイプの2機掛けが主流で、艇にもよるが、速力は17〜20ノット前後である。

ベースとなる各ホテル所属のフリートは5〜10隻程度で、そのうち半数近くはメインのファイティング・チェアーの他にサブ・チェアーを2台、合計3台を装備している。これはキハダやサワラ類の同時ストライクが多いことによるようだ。リールはペン社インターナショナルの130、80、50Lbクラスの使用が多く、一部のミディアム用やベイト釣りのためにセネター等を用意している。  チャーターのカタログを見ると、一見、ツナ・バットを装着しているように見えるが、バットは全てストレートのレギュラー・タイプで、ロッドホルダーが急傾斜しているためにそう見えるに過ぎない。それ故に、ツナ・バットを持参すると、角度が合わなくなって全く使用できなくなる恐れがある。

 

チャーター・ボートの充実ぶりは、ここ数年で目を見張るものがある。グランダーにも充分に対応できるボートとクルーが育ちつつあるのは嬉しい限りだ。
  Wラインやリーダーは、クレオール風とでも呼ぶべきか、一応IGFAルールには適合しているものの特殊な構成となっている。これは私見だが、クルーのリーダー・ワークとサメ対策上そうなっているらしく、Wラインが8〜9mでリーダーは1〜2mと変則的である。よって日本で多く見られる4〜5ヒロのリーダー付きルアーは、チャーターボートのタックルと組み合わせるとIGFAルール違反となってしまう。私達が多用してきたリーダー・システムを説明しても、「これは日本的だ」の一言で片付けられることが多く、自分のルアーを使いたい時は、自分のタックルを日本から持参した方が良いだろう。ただし、マコ・シャークやグランダー(1,000ポンド以上)のストライクの可能性も多く、リーダーは最低400ポンド以上にするのが賢明だろう。  アウトリガーは、竹製かFRP製であるが、実用上全く問題はない。しかしメイン・ラインとの接続方法は“洗濯バサミ式”で、ラバー・バンドの使用は難しい。これに対応するために、私はクリップではさむ箇所のラインをデンタル・フロスで補強するか、新聞紙で保護する方法をとっている。また、ハーネス類は各ボートに装備されているが、外人サイズのショルダー・タイプなので、使い慣れたものを持参した方が良いだろう。  チャーター・ボートで使用しているルアーは、南アフリカ製のストライカー社のビッグなものが多い。また、アメリカ製のモールド・クラフト社のもの、その他出所不明のルアーも混在している。日本から持参するには市販のルアーで充分間に合うが、6.5号サイズのルアーには20〜40kgのキハダと沖サワラ、それに比較的小型のカジキがヒットする。

ボート・キャプテンの指示にもよるが、グランダーや大型のサメ類には、やはりカツオかキハダのライブ、もしくはデッド・ベイトが有利なようだ。大会でもデッド・ベイトに1,000ポンド・オーバーがヒットしたことが幾度かあるようだが、アングラーが不慣れなためと、アンラッキーが重なって、80ポンドのラインが全て引き出され、あっけなくライン・ブレイクとなったケースが多い。ちなみにベイト類は、パヤオ回りで比較的簡単に手に入れられるが、日によっては全くダメなことがあるのは、何処も同じである。

サワラやキハダの濃さはピカ一だが、ライト・タックルで狙えば面白いものの、大物が潜む海だけに、なかなか踏み切れないものがある。

 
 

フィッシング・フリートと釣り事情

モーリシャスでのフィッシング・フリートは、大きく分けて、島北西部のトロービッシュ・ホテルの「コルセア・クラブ・フリート」と、ビルフィッシャーには有名な島南西部のブラック・リバー地区のホテルやクラブをベースとする「セントレ・デ・ペーシュ・フリート」、さらにブラック・リバー南部のホテル・メリディン・パラダイスとホテル・ブラバントをベースとする「チャレンジャー・フリート」の3つに大別される。  私はかつて「コルセア・クラブ・フリート」のトーナメントに参加したが、キャプテンやクルーはやる気充分だったことが印象に残っている。しかしながらその時はやや水温が低く、北寄りの風だったためか大物には巡り会えなかった。ただ、キハダと沖サワラの釣果には恵まれ、20〜40kgのキハダを多数と、最大28kgの沖サワラを数尾記録し、我が「CATS」チームは上位入賞を果たした。同大会では、2尾のバショウカジキがキャッチされたが、大型キハダと同様、島中央西部のポートルイス沖がポイントで、島北側のコイン・ド・メア島やイル・プレート島では小型キハダと大型沖サワラが多かった。
また「チャレンジャー・フリート」の大会に私はトーナメント・ディレクターとして参加したこともあるが、その時は最大305ポンドのシロカジキ(ブラック・マーリン)を筆頭に、毎日1本ずつ、計4尾のカジキが記録された。ただし、トータル14チームの参加で、毎日5〜8本ものカジキのバラシがあったのは残念であった。これは、参加チームの多くがIGFAメンバーとは無縁の存在で、経験者も殆どいなかったことに起因している。それなりのメンバーが日本からもっと参加していれば上位独占も夢ではなかったと悔やまれた。
ポイントは島の南西部で、ホテルから10〜30分の比較的近いポイントであった。ただ、この時も小型台風の影響で、またも北寄りの風が強く、同島ではベストとされる東風か南西風に恵まれず、好条件下での釣りは、またしても未知数のままとなってしまったのは残念であった。
しかし、大会終了翌日、同フリートのボートがプライベートで釣りに出かけ、カジキのWストライクを得て2本ともキャッチ、そのうちの1本は、500ポンド・オーバーのブルーだったのと、1,000ポンド・オーバーのラインブレイクだった事を考えると、やはりモーリシャスは魅力的なスポットといえよう。また、この年の12月10日〜13日に開催された「555・マーリン・ワールド・カップ」では、427ポンドのブルーを筆頭に250ポンド以下のマリーンが多くタグ&リリースされている。
ちなみに、米国の釣り雑誌「ソルトウォーター・スポーツマン」のガイドによると、世界中でこの季節、ブルーマーリンのベスト・チョイスのスポットは、第1にモーリシャスを掲げている。参考までに第2のチョイスを紹介するとエクアドルとなっているが、1月の方がベターであると評している。 トーナメントは、和気藹々として、食事もホテルも素晴らしく、“現地クレオール風リーダー・システム”と自分の釣り方をうまくマッチングさせれば、夢のグランダーにも一歩近付くことを保証したい。  
余談ではあるが、釣りの後ホテルに戻ると、ビーチではヨーロッパ各地から避寒に来たギャル達のトップレス姿が眩いばかりである。そう、ここはモーリシャス。ポール・ジャン・トゥーレが詠んだ「神自らが水面に置き賜うたに相違ない国、モーリシャス。ここでは海が歌い、鳥が眠りをむさぼる……」 この楽園に、是非あなたも!
 
マーリンのストライクがあったものの、哀れ、ベイトだけが御覧の姿となってしまった。


大会で記録された305Lbのブラック・マーリン。ラインは80Lbテスト、ボートは『ボナンザ』。

 


上写真、最後の力をふりしぼりラインから逃れようとするキハダに、
ついにギャフが打たれた(左写真)。これは平均サイズだ。

 
 

モーリシャスの基礎知識

モーリシャスはアフリカの東岸の遥か彼方に浮かぶマダガスカル島のさらに東、約900kmのインド洋上に浮かぶ島国である。南緯20度、東経57度に位置し、モーリシャス島のほか、ロドリゲス島、セントブランドン島などからなる。全面積約2,000平方km、最大のモーリシャス島は東京都より少し小さい程度で1,865平方kmを占める。年降水量は1,200mmほどだが、中央山地では5,000mmにもなる。11月から3月にはサイクロンと呼ばれる暴風雨にしばしば襲われるものの、豊かな緑とサンゴ礁に囲まれたインド洋の楽園である。モーリシャスは古くからインド洋航海の中継地として、アラブ人やマレー人の船乗りに知られていた。16世紀末にオランダ人がモーリシャスと名付け、18世紀初めまではオランダ領であった。その後、フランス領となったが、ナポレオン戦争の結果、イギリス領となり、1968年に独立国となった。18世紀末から19世紀初頭にかけて、アフリカから黒人が奴隷として連れてこられた歴史もある。人口は約110万人、インド系が68%を占めるが、古くから住んでいるのは白人とアフリカ人、それにこの混血の人々(クレオール)で、28%、さらに中国系3%、フランス系も2%ほどを占める。例えば、ホテルのチェックインはインド系、トーナメントの運営本部はフランス人か南アフリカからの白人達、チャーターボートのキャプテンとクルーは黒人系、ついでに調理は中国系となる。公用語や一般標識は一応英語であるが、日常会話はフランス語となり、ボートの上では英語、フランス語、クレオール語が乱れ飛ぶことになる。  
日本からモーリシャスへの直行便は無い。ボンベイからはエア・インディア、クアラルンプール、シンガポールからはエア・モーリシャスで所要約7時間。日本とシンガポールの間が約7時間の合計14時間となる。日本との時差はシンガポールが1時間、モーリシャスが5時間遅れである。そこで私は、往路はトランジットでダイレクトでモーリシャスに入り、復路はシンガポールにてホテルをデイ・ユースするか、1泊して体調を整えて帰国するようにしている。その他の便としては、香港よりキャセイとエア・モーリシャスの共同運行便で9時間40分というのもあるので、前後の買い物や観光、それに体調のことなども考慮して、どの路線で行くのかを決めるのが、ワールドワイド・アングラーとしての腕の見せどころとなる。
また、蛇足ではあるが、モーリシャスはダイヤモンドが非常に安いので、留守の間、フィッシング・ウィドーとなる奥方の機嫌を取ることもフィッシング・テクニックの一つと考えるべきであろう。

 

  釣りのベースとなるホテルは、基本的にヨーロッパ・ナイズされたリゾート・タイプであり、設備は良く、釣り以外にもゴルフやその他のスポーツ・アクティビティーの施設が整っている。  
食事はインド系を基本としているが、バリエーションも豊富で日本人の舌には合うようだ。インド風や西洋風がダメな時は、ホテル近辺の日本料理店(島の北西部)や、多くある中華料理店を利用するといいだろう。体調は食事に大きく影響され、肝心のファイティングに多大な影響を与えるので、日本からインスタント食品を持ち込むなど、食事と体調の自己管理に努めることがベスト・フィッシングの第一歩といえるだろう。
 
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