モーリシャスの基礎知識
モーリシャスはアフリカの東岸の遥か彼方に浮かぶマダガスカル島のさらに東、約900kmのインド洋上に浮かぶ島国である。南緯20度、東経57度に位置し、モーリシャス島のほか、ロドリゲス島、セントブランドン島などからなる。全面積約2,000平方km、最大のモーリシャス島は東京都より少し小さい程度で1,865平方kmを占める。年降水量は1,200mmほどだが、中央山地では5,000mmにもなる。11月から3月にはサイクロンと呼ばれる暴風雨にしばしば襲われるものの、豊かな緑とサンゴ礁に囲まれたインド洋の楽園である。モーリシャスは古くからインド洋航海の中継地として、アラブ人やマレー人の船乗りに知られていた。16世紀末にオランダ人がモーリシャスと名付け、18世紀初めまではオランダ領であった。その後、フランス領となったが、ナポレオン戦争の結果、イギリス領となり、1968年に独立国となった。18世紀末から19世紀初頭にかけて、アフリカから黒人が奴隷として連れてこられた歴史もある。人口は約110万人、インド系が68%を占めるが、古くから住んでいるのは白人とアフリカ人、それにこの混血の人々(クレオール)で、28%、さらに中国系3%、フランス系も2%ほどを占める。例えば、ホテルのチェックインはインド系、トーナメントの運営本部はフランス人か南アフリカからの白人達、チャーターボートのキャプテンとクルーは黒人系、ついでに調理は中国系となる。公用語や一般標識は一応英語であるが、日常会話はフランス語となり、ボートの上では英語、フランス語、クレオール語が乱れ飛ぶことになる。
日本からモーリシャスへの直行便は無い。ボンベイからはエア・インディア、クアラルンプール、シンガポールからはエア・モーリシャスで所要約7時間。日本とシンガポールの間が約7時間の合計14時間となる。日本との時差はシンガポールが1時間、モーリシャスが5時間遅れである。そこで私は、往路はトランジットでダイレクトでモーリシャスに入り、復路はシンガポールにてホテルをデイ・ユースするか、1泊して体調を整えて帰国するようにしている。その他の便としては、香港よりキャセイとエア・モーリシャスの共同運行便で9時間40分というのもあるので、前後の買い物や観光、それに体調のことなども考慮して、どの路線で行くのかを決めるのが、ワールドワイド・アングラーとしての腕の見せどころとなる。 また、蛇足ではあるが、モーリシャスはダイヤモンドが非常に安いので、留守の間、フィッシング・ウィドーとなる奥方の機嫌を取ることもフィッシング・テクニックの一つと考えるべきであろう。
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