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DON MANN BIG GAME TECHINIQUES & TIPS
ドン・マンのビッグゲーム・テクニック1
By Don Mann・Translation/Tsuruzo Kondo.
ティーザー Teasers
引くべきか? 惹かざるべきか?
ティーザーを必要以上に難しく考えているアングラーは多い。
ティーザーに出た魚は、その後にルアーを追うのだろうか?
また、ティーザーを飲み込んでしまうことはないのだろうか? などなど。
ふとした疑問から使用を躊躇してしまうのだ。
まさに「引くべきか? 惹かざるべきか?」、アングラーにとっては究極の選択に迫られるのである。

 
 

ティーザーの役割とは何なのか?

ゲームフィッシング開拓期の名キャプテンで、アングラーとしても名声を馳せたトミー・ギフォードは、かつてこう述べたことがある。「フックの付いていないものなど、私は絶対に流さない」と。ギフォードがここで言っているのは、ティーザーのトローリングについてである。ティーザーとは、ベイトやルアーにゲームフィッシュを惹きつけるためのフックなしのルアーである。
ギフォードの勇気ある「宣言」とは対照的に、今も昔もオフショアアングラーたちは様々な種類のティーザーを流している。ティーザーで魚を呼び寄せ、鋭いフックで武装したベイトやルアーに魚の関心を向かわせているのだ。
ギフォードの時代、これらは単に「ティーザー」と呼ばれていたが、今日では、デイジーチェーン、バード(ヒコーキ)、アトラクターなどの名称がつけられ、その形態も千差万別である。ただし、ボートで引っ張り、海中に振動を伝えてゲームフィッシュ(とりわけビルフィッシュとツナ類)を呼び寄せるという点に変わりはない。
海の広大さを考えると、アングラーがゲームフィッシュを捜し出すのは決して簡単なことではない。たとえ魚のいる「サイン」を読み取る能力があって、狙う海域をより狭めることができたとしても、目の前にはやはり広大な海が果てしなく広がっているのだ。特に、トロフィー級のゲームフィッシュがその海域にどのくらいいるのか、ということに思いをいたせば、その感はさらに強まる。

 
となると、アングラーに課せられたテーマは一層明確になってくる。それは、トロールしているベイトやルアーの存在を目立たせ、たとえ遠距離からでも、魚がそれに気付くようにすることである。
たしかに、ファスト・トローリングの場合であれば、ボート自体が作りだすウェーキによって、ゲームフィッシュの関心を相当に惹きつけることができる。だが、ボートのすぐ後ろでトロールしているベイトへと魚を誘うためには、ゲームフィッシュをより接近させなければならない。ティーザーが効果を発揮するのは、まさにそういった状況の時である。つまり、ティーザーは、トロールするベイトやルアーに魚の注意を向ける働きをするのだ。傷ついた単独の魚やベイトフィッシュのスクールを真似たり、あるいは、単に飛沫音や振動を作りだして魚の関心を惹くわけである。そうすることによって、次第にベイトやルアーへと接近させ、ついにはストライクにまで誘うことができるのである。

シングルティーザーなら、どんなタイプを選べばよいのか?

ワイヤーやロープに結びつけた大型のシングル・ティーザー(いくつかを連結したタイプではないということ)は、ウェーキの中で跳びはねたり、ダイブしたりして激しい飛沫を立てる。それはなんらかのトラブルに陥った大型ベイトフィッシュの動きを効果的に真似ている。シングル・ティーザーには木製が多く、たいていはツナ類を模したペイントが施されている。だが、最近では、プラスチックや硬質ウレタンフォーム製のものも出回っており、木製のものと変わらぬ効果を発揮している。

 
 
それらの先端部は、フラット(平ら)であったり、スクープト(凹み)になっていたり、穴が開いていたりで、アングラーが望むアクションと泡立ちが得られるようになっている。例えば、フェイス(ティーザーのヘッド前端部)がディッシュド(凹み、スクープトと同じ)タイプのティーザーは、高速でトロールするとバイブレーションが大きくなり過ぎて、フラットラインにオマツリする恐れがある。また、フラットフェイスのティーザーはファストリトリーブにおいて効果を発揮するが、一方、コンケイブ(凹み、ディッシュドやスクープトと広義では同じ)フェイスは低速でも魅力的なアクションをする。どちらのタイプも、海面に浮上する際に、周期的にルースターテイル(噴水のような水の跳ね上げを言う)を上げて、力強いバブルトレイル(船で言うウェーキ。航跡の白泡)を引くのである。
またティーザーがない場合には、間に合わせとして、コーラのビンや空き缶を利用した即席ティーザーを作ってもよい。工場で生産される高価な製品と変わらぬ効果をあげることができる。
現在市販されているティーザーの中には、革新的なアイディアが盛り込まれているものもある。表面をミラーフィニッシュにしたものは、ベイトフィッシュの群れに似て、太陽光線をストロボライトのように反射させる。また、色とりどりのスカートをつけたものもあれば、つけていないものもある。だが、すべてに共通するのは、魚の関心を広く呼び寄せるという、その役割である。
アメリカの有名なフライフィッシャーマン、ウィンストン・ムーアは、Boone社のミラーフィニッシュの「Sundance Teaser」を使い、これまでに数百尾のセイルフィッシュをティージングしているし、巷では空き缶利用の即席ティーザーで巨大なブルーマーリンをキャッチした云々という噂も尽きない。要するに、トロフィー級のゲームフィッシュを求めて、オフショアーアングラーたちはあらゆる種類のティーザーを使っているのである。
だが、果たして、どんなタイプのティーザーがベストなのだろうか? その答えを見つけるには、魚の生臭い匂いが染み込んだスポーツフィッシング・クルーザーのティーザー用引き出しを調べさせてもらうことだ。頻繁に使用されたティーザーは、まるで脱穀機を通り抜けてきたように見えるだろう。中には、ビルフィッシュがアタックしたと思われる歯形や深い傷跡までついているものもあるはずだ。それらは、そのティーザーが実際に力を発揮したという確かな証拠であり、ティーザーそのものに魚がアタックしたことを示している。
引っ張っているティーザーに実際にそのようなアタックがあったら、フック付きのベイトやルアーを、そのティーザー近くに寄せることがコツだ。それと同時に、ティーザーのロープを引き寄せて、その場から外してしまうのだ。そうして、魚の関心をティーザーからフック付きのベイトやルアーへと向けるわけである。実際にやってみると、このテクニックはさほど難しいものではない。事実、一度ティーザーにストライクしてから方向転換し、他のルアーにもう一度ストライクする魚さえいるほどだ。ティーザーを追いかけているうちにルアーやベイトが視界に入り、そちらに興味が移ってしまったというわけだ。
 

デイジーチェーンとスプレッダーリグ

デイジーチェーンとスプレッダー・リグには、また別の魅力が確かにある。これらは、海面上を狂ったように逃げまどうベイトフィッシュやイカの群れを模している。デイジーチェーンは1本のラインに一列に取りつけられた単純な仕掛けになっているが、一方、スプレッダー・リグは、ステンレス製の棒からいくつものティーザーを引っ張るようにできている。これらは、フラットラインでトロールしているベイトやルアーの脇、または手前に流して用いるのが普通だ。ツナ狙いの場合は、アウトリガーのベイトやルアーの前で流すとよい。こうすると、スプレッダー・リグはあたかも海面を逃げまどうベイトフィッシュのスクールに見え、その後方にあるベイトやルアーは、スクールからはぐれたベイトフィッシュか、あるいはスクール(実はティーザー)を追う何かの捕食魚に見えるのである。

 
かつてノバスコシア沖の冷水海では、1本のラインに死んだニシンを数尾付けたデイジーチェーン風のリグを使っていた時代があった。ただし今日のティーザーと違うのは、ニシンに大型のツナフックが装着されていた点だ。このティーザーは単に大型のツナをスプレッド内へ誘うためだけではなく、それ自体がベイトでもあったわけである。
これと同様に、現代のフロリダ・キーズのスキッパーたちも、ナチュラルベイトのデイジーチェーンを使用している。スナップスイベルをいくつもラインに接続し、それぞれのクリップにバリフーの下アゴを通して固定するのだ。しかし、ここでもまた、最前列のバリフーにはフックが装着されている。このデイジーチェーンは、キングフィッシュからセイルフィッシュまで幅広く素晴らしい釣果をもたらしている。ゲームフィッシュがデイジーチェーンに食らいつき、最前列のフック付きベイトまで凄まじい勢いで食い上がっていく光景を、幸運なアングラーは目にすることができる。
だが、フックなしのナチュラルベイトをティーザーとして使うことは少しも新しいことではない。スプリット・テイル・マレットや、ツナやシイラの腹の切り身(ベリーベイト)は、ティーザーとして長年に渡って使われてきた。フック付きのベイト(あるいはフライ)をプレゼンテーションすると同時に、ゲームフィッシュの目前からティーザーをサッと引き上げてしまう方法である。ナチュラルベイトに惹かれて近寄ってきたゲームフィッシュは、突然、自分の目の前からティーザーが姿を消したことに腹をたて、代わりに差し出されたベイトやフライに、いつもの慎重さを失い、思わずガブリと食らいついてしまうのである。だが、今日では、フライフィッシャーマンたちはナチュラルベイトよりもアーティフィシャルのティーザーを好んで使っているようだ。

バードと「エレクトリック・キラー」

最近になってティーザーの仲間入りを果たしたのは、バード(ヒコーキ)である。日本のマグロ漁船で長年使われてきたバードは、ツナだけでなく、ビルフィッシュを含む他の魚種に対しても絶大な効果を発揮する。単独で、あるいはデイジーチェーンとして使用するバードは、激しい飛沫を作り出し、ベイトやルアーに対する魚の関心を最も効果的に惹きつけるのである。バードのデイジーチェーンは飛び跳ねるバリフー、あるいはトビウオの動きにソックリで、ゲームフィッシュの好奇心を掻き立てずにはおかない。
我々の多くは、単体のバードをリーダーとルアーの間にスイベルで接続している。少し低速でトロールする時には、リーダーを接続するスイベルに別のラインを結び、それに取りつけている。ベイトやルアーは、あたかもバードを追いかけているように見え、ゲームフィッシュの競争心を煽るのである。

 
 
何年か前、私は食い渋るストライプト・マーリンをバードで何とかできないものかと、エクアドルのサリナスにバードを持ち込んだことがある。実際に使ってみると、何とストライクの確率が大幅に向上したのである。ベイトフィッシュの豊富さが原因で食欲の減退したストライプト・マーリンには、バードが最も効果的なティーザーなのである。
私が「エレクトリック・キラー」と命名しているデイジーチェーンの一種は、タックルボックスをかき回して、ルアーを数個(できれば同じ長さのものが望ましい)引っ張り出せば誰でも簡単に作ることができる。古めのルアーでもいっこうに構わない。他に必要なのは、太めのモノフィラメント・リーダーと小型のエッグシンカーだけである。まず、リーダーに通したエッグシンカーを、ルアー同士の間で適当な間隔を空けて押し潰し、ルアー同士がくっつかないようにする。そして、リーダーの末端に大型のスイベルを結びつければ完成である。はたして、その効果は?
何はともあれ、その「化け物」を実際にトローリングしてみることだ。貧欲なビルフィッシュに高価なデイジーチェーンを噛み切られ、ショップにもないような辺鄙な場所にティーザーなしで捨て置かれた時、私は何度こうして自作したことか。それぞれのルアーの色や形がバラバラでも、その効果には何ら支障をきたさないというのが真実である。
ベネズエラのチャーターボート「マルグイラ」は、私が作ったそんなデイジーチェーンのひとつを何年も使用してきた。ごく最近、そのデイジーチェーンは怒ったブルーマーリンにアタックされ、ルアーのひとつをリーダーごと噛み切られてしまった。これまでにも、そんな急拵えのティーザーで多くのビルフィッシュをキャッチしてきたが、実を言えば、もっと小綺麗でスマートな市販品のほうが好みである……。
 

フック付きとフックなし

素晴らしい釣果を上げているアングラーの中には、超大型のルアーをティーザーとして使っている人もいる。これに関しては、冒頭のトミー・ギフォードの言葉と同じ意見を私は持っている。つまり、大型のマーリン用ルアーをボートから引くとすれば、私は決してロープなどで引かないし、フックレスにもしないだろう。私ならマトモなリーダーを使い、80Lbラインでロッド&リールに接続し、さらに大型のマーリンフックをきちんとセットしておくはずだ。
この意見に賛同してくれる仲間がいるのには、勇気づけられる。プエルトリコのサンファンとセント・トーマスの沖合で、巨大なフックを2つも付けた超大型の「Moldcraft Hooker」が見事なアクションでトロールされているのを見たことがあるが、その時、私も超大型の「R &S Tear drop」をショートのフラットラインで2つ流していた。どちらのルアーも派手な飛沫をたて、ヘビ状のバブルトレイルを延々と残した。ティーザーとしても申し分なく、これらをフックなしで使うことはあまりにも勿体ない話である。
その後、やはり、両方のルアーでマーリンばかりでなく、小型のものまで、そんな超大型ルアーに跳んできたのである。非常に短いドロップバックをとっただけで、フックアップもまさに「向こう合わせ」という感じであり、ごく単純にロッドティップを立てるだけで充分なフッキングが得られた。

 
実際、このような大型ルアーのフックセットには、ホワイトマーリンにバリフーを食わせるテクニックを使うこともできる。マーリンが最初のアタックでフッキングしなかった場合、ロッドをホルダーから引き抜き、ロッドティップを頭上に立てるのである。しばらくして、再びマーリンがストライクしてきたら、即座にロッドを下ろし、ティップをマーリンに向ける。それから、できる限りの勢いで煽り、フックセットする。それでも、フックアップしなかったら、これを繰り返せばよい。このテクニックは非常に有効で、自分自身でマーリンをフックアップさせるスリルは忘れ難い快感になるはずだ。
ロッドティップでドロップバックさせるというテクニックを習得していれば、マーリンが口を開けてルアーにストライクする直前に、あなたはロッドティップを自然に下げているはずだ。そうすることによって、マーリンの口の中へルアーが容易に送り込まれるわけである。マーリンが反転して泳ぎ去ろうとした瞬間、思い切りロッドを煽り、フックセットすればいいのだ。
エクアドルの釣行で、我々は鮮やかなピンク&イエローのソフトヘッド・デイジーチェーンをスプレッドの中央に流した。つまり、アウトリガー・ルアーとフラットラインのド真ん中にである。それに加えて、2つの超大型「R & S Tear drop」をフラットラインでボートのごく近くに流した。派手な飛沫を航跡に残すこの「R & S Tear drop」は、それ自体ティーザーとしても通用するものである。我々はそれらにフックをセットし、80Lbクラスのグラファイトロッドにそれぞれを接続したのである。その結果、両方でストライプト・マーリンとブルーマーリンをキャッチすることができた。鮮やかな色彩をしたデイジーチェーンの組み合わせは、スプレッドを目立たせ、「フック付きティーザー」に多くのマーリンを誘ってくれたのだ。
私の話は脱線しているだろうか? いや、とんでもない。そもそもティーザーとフック付きルアーとを区別すること自体がナンセンスなのだ。それは単なる用語上の問題である。要するに、そこにはフックがあるかどうか、ロープではなく、フィッシングラインとリールにつながっているかどうか、という違いしかないのである。とはいえ、ライトタックル・フィッシングの場合は、この考えは通用しない。大部分のティーザーのドラッグ強度は、ライトラインにとってはあまりにもヘビーすぎるからである。この場合は、やはり丈夫なロープやワイヤーしか、高速トローリングの水圧に耐えられないだろう。
ティーザーはラインに対して担当のテンションをかける。ティーザーが泳いだり跳ねたりする時にかかる水圧はかなりのものだ。したがって、ライトラインによるフィッシングでは、ティーザーはやはりロープやワイヤーなどで引くべきであり、あくまでもボートから流すベイトやルアーの存在を目立たせるためだけに用いるべきである。
 
 
では、どんな時にティーザーを使うべきなのか? 「何時でもいい」というのが答だ。ティーザーを使っても何も損することはない。要するに、ティーザーの働きとは、ゲームフィッシングの関心をベイトやルアーへ向けさせることなのだから、それを試みる価値は常にあるのである。魚の関心を集める上でのティーザーの有効性は、彼らがまず最初にティーザーにアタックするという事実からも実証されている。
スプレッドへゲームフィッシュの興味をぐっと惹きつける。これがティーザーの役目である。したがって、ティーザーなしのトローリングなど、コマセを使わないボトムフィッシングのようなものだ。トミー・ギフォードの言葉を気にすることはないのだ。たとえフックなしであっても、ティーザーはきっと素晴らしい効果をもたらしてくれる。ティーザーを持たずに港を出るなんて、実はとんでもないことなのである。
 
 
 
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