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Big Game Fishing
ビッグゲーム・フィッシング入門

協力・文・構成/岡田順三、(株)八点鐘  イラスト/高橋唯美

Part1   ボート BOATS
Part2   ロッド RODS
Part3   リール REELS
Part4   ライン、リーダー、フック、ルアー、ギャフ、その他 LINE,LEADERS,HOOKS,LURES,GAFFS,etc.
Part5   ポンピング・テクニック PUMPING
Part6   ポイントの発見、及び操船 Where are the Fishes? Trolling for the Big One
Part7   ストライク CRASH STRIKE
Part8   ファイト JUMP & FIGHT!
Part9   ランディング RELEASE or BOARDING
 

 

Part1
ボート BOATS

まず最初に、喜怒哀楽、豹変ぶりの激しい日本の海では、20フィート前後までのスモール・ボートが、必ずしもビッグゲームの入門艇とはならないことをご理解下さい。ちなみに、JIBTでは、30フィート以上の艇がエントリーの対象となります。
イラストでは基本的な大型艇と中型艇の船体各部の主要名称、さらに漁船をチャーターした場合のコックピットのアレンジについて紹介してみました。中型艇の場合はサイドデッキに設置するロッドホルダーの角度に変化をもたせたり、サブ・シートをロッドスタンドの付いたリーニング・パッド付スタンドに代えたりすることで、ゲームボートとしての機能とイメージが大きく変化します。
では次に、日本の海の特性とビッグゲームを前提としたボートに求められる諸条件について考えてみましょう。それには次のような性能が挙げられます。

1. 荒天特性/追い波でバウを突っ込まないこと、向かい波での走航性に優れ、スプレーを浴びにくいこと。2. 安定性/低速で長時間のトローリングを続けるため、風や波の影響を受けにくいこと。重心が低く、ローリングが少ないこと(これは荒天時の安全性につながる)。3. 走航性/直進性能に優れ、急激な加速性能を備えていること。また、カジキの動きに合わせた後進機能も要求される。4. 排水/横波や急激な後進時の波かぶり等に対応するため、優れた排水機能が求められる。また、魚の汚れ等を素早く洗い流すためにもフラッシュ・デッキ・スタイルが望ましい。5. スピード/目指すポイントに可能な限り早く到達するための高速性能が得られること。6. 広視界/魚群を見つけるため、また、安全面からも、視界の良好なことが重要条件となる。また、ドライビング・ポジションからアングラ−の動きが100%視野に入ることが必要条件となる。7. 航行距離/カジキを追って、かなりの遠出が予想されるため、できるだけ走行レンジの長いことが要求される。8. コックピット/魚とのファイトやランディング時のリーダーマンやギャフマンの動きを考えると、そのスペースは可能な限りフラットで広いものが望まれる。また、安全性の上で、コックピット・フロアからサイド・デッキまでの高さは、少なくとも膝以上の高さを確保したい。
以上の八つの事項は、ビッグゲームのためのボートを考える際の最低限度の確認点と言えるでしょう。また必要設備としては、デッド・ベイトやライブ・ベイトのためのアイスボックスやライブウェルを確保したいものです。さらに、各種電子航海機器や水温計も重要な“フィッシング・ギア”であることをお忘れなく!

 
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Part2
ロッド RODS

ビッグゲーム用のロッド、特に最重量の130ポンド・クラスを初めて手にされた方は、その、あまりにもヘビーな造りに圧倒されることでしょう。しかし近年は、ライトタックルで、よりビッグな獲物を記録することに重きをおくアングラ−も増えています。そこで、ライトタックルで釣られた素晴らしい記録――例えば1987年6月25日に達成された30ポンド・タックルの1103ポンド(500.31kg)のブルー・マ−リン―を見ると、逆に、“こんな道具で、あんなすごい魚が釣れるの!?”と、そのタックルの軽量なことに驚かされてしまいます。
ロッドには、バット部(リール・シートが付いている)とチップ部(竿先。ガイドが付いている)に分かれた2本継ぎのものと、一部のライトタックル・ロッドや、ショート・タイプのスタンド・アップ・ロッドのようなワンピース・タイプのものがあります。

バット部分は、アルミやステンレス製の堅牢なもので、エッジ(竿尻)には、ジンバル・ソケット内のクロス・バー固定させるためのジンバル・ノッチが刻まれています。バットにはストレート・バットとカーブド・バットの2つのタイプがあります。カーブド・バットは別名“ツナ・バット”とも呼ばれるように、元来、大型のマグロ類を対象として考案されたものです。カーブド・バットは、ストレート・バットに較べると、ロッド・ホルダーにセットした際に、海面に対してロッドの立つ角度が小さくなります。これは、巨大マグロがフッキングの直後に急激に深く潜る傾向があるため、ロッド・チップとラインの角度を大きくとることにより、ライン・ブレイクを防ぐことを目的としたものです。また、ポンピングの際の体の可動範囲が大きくなることも、この種の釣りには有利となります。ちなみに、カーブド・バットの長さは、リールの中心位置から竿尻までの直線距離で計ります。  

ストレート・バットとカーブド・バットを使用した場合のロッド角度の相違を示す図。ロッドとラインの作る角度が大きい方が、ラインブレイクは少ない
  ガイドは堅牢なローラー・ガイド(アフタコ社、フィン・ノール社等)を使用したものが安心できるでしょう。
ロッドを購入する際の注意点は、ガイドとリール・シートが真っすぐに揃っているか、ジンバル・ノッチがきちんと刻まれているか、バット部とチップ部をジョイントした際にガタつきが無いか等を確認して下さい。また、ロッドには問題が無くても、ロッド・ベルトやファイティング・チェア−のソケット自体に歪みがあるがある場合もあるので注意して下さい。
ロッドの選定基準は、まず使用するライン・クラスに適合したバランス・タックルを考えることです。漁船等をチャーターする際はファイティング・チェア−が無い場合もあるので、ロッド・ベルトやファイティング・シートを用意することも必要になります。

カーブド・バットは、ファイティング・チェア−が装備されている場合でも、チェア−自体にカーブド・バット用のジンバル・ポジション(ストレート・バットよりも下方にジンバル・ソケットが設置されている)が設定できるものでなければ意味がないので、注意が必要です。
ロッドはガイドが命です。ローラー・ガイドの場合は、いつも滑らかなローラーの回転を保つために、保守点検には細心の注意を払って下さい。

ロッドベルトとハーネスを使用し、スタンド・アップ・ロッドを体に装着する。キドニー・ハーネスは、ポンピングの可動範囲は小さいが、疲れが少なく長時間のファイトに適している

 
  典型的なトローリング・ロッド。左からヘビー・クラス(カーブド・バット)、ヘビー・クラス(ストレート・バット)、ミディアム・クラス、ライト・クラス。ヘビー・クラスは、ほとんどが堅牢なローラー・ガイドを装着している。ライト・クラスにはリング・ガイドが付くことがある
 
最後に、漁船をチャーターしたり、ファイティング・チェア−の装備されていないボートでビッグゲームにチャレンジする際のロッドの選定について述べておきましょう。
現在、市場に出ているビッグゲーム・トローリング用ロッドは、元来、ファイティング・チェア−で使用するために開発されたものです。そこで、ファイティング・チェア−の設備の無いボートで、非常な困難の中でファイトを続けている日本のビッグゲーム・アングラ−にとって、スタンド・アップ・ファイトのために開発されたロッドは、まさに待ち望まれていたものと言えるでしょう。ロッド・チップが短いので、ロッド・ベルトとハーネスで体に装着した際に、リールと腕のポジション・バランスが良く、また、サイド・デッキのロッド・ホルダーにセットした際も、容易にトップまで手が届くので、アウトリガ−のスティンガ−・ラインにフィッシング・ラインをセットするにも手こずることがありません。
また、IGFAルールのロッドに関する規定(ロッド・チップはリールの中心位置から40インチ(101.6cm)以上、ロッド・バットの長さは27インチ(68.58cm)以内)を満たせば、この範囲で自分の体に合ったオリジナル・ロッドを作ることも可能です。
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Part3
リール REELS

ゲーム・フィッシングに求められる重要な要素の一つに、リールのドラグ機能があります。ドラグとは、設定張力以上の力がラインに働くと、ライン・スプールが滑り、逆回転することにより、設定張力を超す力がラインにかからないようにするための機構です。30ポンド(15kg)テスト・ラインで、1103ポンド(500.31kg)のブルー・マ−リンが記録されたのも、優秀なアングラ−のテクニックと同時に、優れたドラグ機能を持つリールがあったからだとも言えるでしょう。ちなみに、この大記録とラインの強度比率は、何と36:1という数値になります。ビッグゲーム・リールに求められる最も重要な要素は、●堅牢で、ドラグ調整機能が正確で、かつ、ドラグ有効幅の広いもの。●充分なライン・キャパシティーのあるもの、といった2点に絞られます。

 
 
ビッグゲーム・リールのドラグ・システムには、スター・ドラグ方式と、レバー・ドラグ方式の二種があります。しかし、操作性、ドラグ調整の正確度などからは、レバー・ドラグ方式の方に分があるようです。レバー・ドラグ方式では、アングラ−はドラグ・ポジションを常に視認できることから、微調整やドラグ設定も容易です。また、レバー・ドラグ・リールには、ストライキング・ドラグ・ポイントで、一時的にレバーの動きを制限できるストライキング・ドラグ・ストップ・ボタンがついているものもあります。このボタンは、それ以上のドラグ強度が必要とされる時には、その停止装置を簡単に解除することができます。
レバー・ドラグ・リールの主要部位
写真引き出し線上から、●ハーネス・リング●ストライキング・ストップ・ボタン●ドラグ調整レバー●プリセット調整ドラム●ロッド・ヨーク●クリックボタン●ハンドル
 

レバー・ドラグは随時に操作ができ、スター・ドラグよりも酷使に耐え、狂いも少ないという評価があります。確かに、レバー・ドラグ・リールは、巨魚とのパワフルなファイトに際し、より安定した働きを見せてくれますし、ドラグの調整可能範囲が大きいことも魅力です。しかし、これはスター・ドラグ・リールがレバー・ドラグ・リールに対して劣っているということではありません。スター・ドラグは、プレートやワッシャーの消耗が激しいものの、安価に、しかも簡単に取り替えることができます。メンテナンスと操作に熟知すれば、レバー・ドラグ・リールに較べて安価なスター・ドラグ・リールも魅力です。重要なことは、使用するリールを最大限に使いこなすことであり、常に最高のコンディションに調整しておくことです。常に自分の設定するドラグ強度を正確に得られることが、最も重要なことです。

スター・ドラグ・リールにしろ、レバー・ドラグ・リールにしろ、そのリールの持つ魅力の範囲内で使用することが肝要です。例えば、30ポンド・クラス・リールに80ポンド・ラインを使用し、130ポンド・クラスのリールと同程度のパワーを得ようとすることなどは到底無理なことです。つまり、リール、ライン、ロッドの三つのバランスがとれていてこそ、最大のパワーが発揮できるものなのです。

 
さて次に、リールの使用方法で最も重要なストライキング・ドラグについて説明しましょう。ストライキング・ドラグは、通常、ライン強度の20〜30%に設定します(表1参照)。これは、対象魚やアングラ−の技量によって幾分変化しますが、初心者の場合は、ストライクからランディングに至る全過程をこのポジションでファイトするのが無難です。
リールのドラグを、希望するストライキング・ドラグに調整するには、少なくとも必要最大限のストライキング・ドラグと同程度以上のレンジを持つ正確なバネ計りを用意します。そして、まずリールをセットしたロッドを、ロッド・ホルダーに固定します(アングラ−が、スタンド・アップ・ファイトの要領でセットする場合は、図のような方法で行ないます)。ダブル調整方式のレバー・ドラグ・リールについては、まず、メイン・ドラグ・リールについては、まず、メイン・ドラグ・レバーを、ストライキング・ポジション(例えばペン社のインターナショナルを例にとると、この位置はストライキング・ストップボタンの少し手前となります。ファイトの過程で魚が弱ってきた際に、少しばかりドラグ強度を上げられる程度の余裕を残して、あなた自身のドラグ・ポジションをセットすると良いでしょう)にセットします。次に、バネ計りでラインを引っぱり、設定しようとする強度のところでドラグが滑り始めるまで、プリセット・ドラグを徐々に操作します。スムーズなドラグ機能を持つリールは、このドラグ調整の際にロッド・チップが上下にガタガタと揺れるようなことがありません。またドラグ・ポジションが設定する度に変化するような場合は、すぐにメーカーにオーバーホールを出すべきでしょう。  
 
 
リールのライン・キャパシティー(糸巻量)は、各ライン・クラスに対応するリールそれぞれに、最低600m以上を確保したいものです。カジキのファースト・ランは、通常200m前後の場合が多いようですが、時には500mに及ぶことがあります。800m以上の糸巻量があれば、まず心配はないでしょう。
次に、リールのメンテナンスについてお話しましょう。リールは、釣行の後には、必ず海水や潮風による塩分を取り除くようにして下さい。まずドラグを目一杯に締めつけ、ドラグ内に水が入らないようにして、塩分を洗い落とします。完全に乾燥させた後、指定箇所にリール・オイルを適量注油しますが、これは毎回する必要はありません。必要以上にあちこちに注油すると、クラッチ板に油がしみ込み、ドラグが滑りやすくなることもあります。
最後に、リールにラインを巻く際の注意点を述べておきましょう。ビッグゲームでは、ラインをゆるく巻いていると、ストライク時の強烈なショックでラインが糸の中に食い込み、ライン・ブレイクの原因となることがあります。そのためラインをスプールに巻きこむ際は、できるだけ固く強く巻き込むようにして下さい。
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Part4
ライン、リーダー、フック、ルアー、ギャフ、その他
LINE,LEADERS,HOOKS,LURES,GAFFS,etc.


ラインは強く、固く、均等に巻くのがコツ


ダブル・ラインを作る

 

■ライン

ラインにはモノフィラメント(ナイロン等の単糸)と、ブレイデッド・ライン(ダクロン組糸)の2タイプがあります。モノフィラメントは、しなやかさ、くせのつきにくさ、それに傷に対する強度の面からはブレイデッド・ラインに劣るものの、水切りの良さ、価格の安さなどでは分があります。しかしモノフィラメントのこの長所は、ビッグゲーム・トローリングでは非常に重要なことで、実際、モノフィラメントを使用する方が多いようです。いずれにしても、必ず「IGFAライン・クラス表示」のあるものを使用して下さい。
リール・スプールのラインの巻き込み量は、通常、スプール径の90%以下にとどめておきます。これは、もしも激しいファイトの際にラインを均等に巻き込めなかった場合でも、最後までラインが収納できるように余裕を持たせるためです。</font><font size="2"><br>
 また、使用するライン強度の最大限の結束強度を得るために、ラインの先端(リーダーにつながる部分)にはビミニ・ツイスト等でダブル・ラインを作りますが、モノフィラメントの50ポンド・テスト以上では、ラインが固くなるために結束部が綺麗に仕上がりにくくなりますので「三ツ編み」等の方法もマスターしておくとよいでしょう。

ダブル・ラインの長さは「IGFAルール」の規定する長さの70%程度以内に抑えるようにしたいものです。ダブル・ラインの部分は、ランディング間際の大魚との激しいファイトによって非常に伸びるものです。大丈夫だと思っていたラインが予想以上に伸びて、せっかくの記録が失格となった例も多くありますので、ラインの“伸び”には充分注意して下さい。  

リーダー・ライン、ハサミ、ヤスリ、ナイフ、プライヤー、スリーブ、フック、ビニール・テープなどの7つ道具
 

■リーダー

「IGFAルール」では、アングラ−以外の人が、ロッド、リール、およびライン(ダブル・ラインを含む)に、直接、もしくは間接的にでも触れることを禁じています。リーダーは、「IGFAルール」で、唯一、アングラ−以外の人物(リーダーマン)が手にすることのできる部分となります。リーダーの目的は、巨魚をランディングする際に、ラインとルアーの間に強度の安全帯を設けることにあります。
リーダーは、パワーのある魚や、鋭利な歯を持つ魚にラインを切られることを防ぐと同時に、ラインのねじれを防ぐ効果もあります。

 
30ポンド・テスト・ラインで1000ポンド以上のマ−リンをランディングできるのは、リールのドラグ機構と、強度に富むリーダー部分があるからだとも言えます。いわゆるミチイトよりもハリスの方がとてつもなく太いことに驚かれる方もいることでしょう。
一般にビッグゲーム・トローリングのリーダーには、ルアーの大きさに合わせて80〜150号程度のモノフィラメントを使用します。

左がベイキング、右がツナ・フック
 

■フック

ビッグゲーム・トローリング用のフックには、マスタッド社のベイキング(ハリ先が軸と平行)やツナ・フックがよく使われています。素材はステンレスやスチールがありますが、最近のスポーツ・アングラ−の傾向としては、スチールを使用する方が増えつつあります。これは、フックを付けたままリーダーを切って魚をリリース(放流)した場合、スチール製であれば、錆びて外れやすくなると考えられるからです。リリースをした魚のダメージをいかに軽減するかということも、ゲーム・フィッシングの大きなテーマの一つとなってきています。
フックは、シャープに、ハリ先ができるだけ短くなるように研ぎます。ハリ先を、細く、長く研ぎ上げますと、固いカジキの顎で折れたり曲がったりすることがあります。

■ルアー

ビッグゲーム・トローリングのルアーは、さまざまな素材と形態から成るヘッド(カグラ/頭)と、色彩豊富なビニール・ベイト(スカート/ハカマ)で構成されるものが主流を占めています。<br>
 ヘッドの形態には丸型、平型、コナ型、ジェット型、ストレート・カット型、ドア・ノブ型といったように、実にさまざまなタイプがあります。ヘッドの形状によってルアーの動きは大きく変化します。
ヘッドの素材には、白蝶貝、メキシコ・アワビ、海松、牛角等、さまざまな素材がありますが、最近はプラスチック・タイプのもので、アクションを重視するものが多くなっています。よく議論されることですが、ルアーのアクションでヒットするのか、ルアーの素材による輝き等でヒットするのかは、結局、魚にしか分からないわけですが、この2つの要素が絶妙に組み合わされたルアーこそが、最高のルアーと言えるでしょう。ヘッドの断面積の広さ、形状、それに重量が、ルアーの動きを決定する要素となります。あとは、それに色彩的変化(輝き)をいかにアレンジするかでルアーの要素は満たされます。
漫然とルアーを流すのではなく、その日の海況(波高や水色)で、ルアー・アクションや素材、ビニール・ベイトのカラーの組み合わせに変化を持たせ、カジキの興味を探り出す努力が必要です。

 

ギャフマンの7つ道具。フライング・ギャフ、ミート・ギャフ、バット、手袋など
 

■ギャフ

ビッグゲームでは、ギャフを打った後、フックがハンドル(柄)部分から抜けるタイプ(フライング・ギャフ)が用いられます。ギャフを打たれたカジキは猛烈に暴れ回ることが多く、とてもハンドルを支えきれるものではありません。そこでこのタイプのギャフの使用となるわけです。最低2本のフライング・ギャフを用意しますが、使用する際は必ず尻手ロープを付けておきます。

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Part5
ポンピング・テクニック PUMPING

50ポンド・テスト以上のタックルでファイトをする際は、ライン張力の強さとタックルの重さ、それに魚のファイトの激しさから、立ったままのファイトをすることは、よほど体力のある方でないと難しくなります。そこで、どうしても必要となるのがファイティング・チェア−です。本格的なファイティング・チェア−は、深く潜った魚を引き上げる際に、ロッドを最大限に使いこなせるように、チェア−の高さはサイド・デッキと同じか、それ以上の高さに設定されています。また、ロッドのタイプとクラスに合わせて、上下何通りにも調整できるジンバル・ソケットが付いているため、アングラーは最適なロッド・ポジションを確保できるようになっています。フッキングの後、アングラ−はファイティング・チェア−に座ると同時に竿尻をジンバルに収め、身に付けたハーネス・ベルトのスナップをリールのハーネス・ラグに取り付けます。いよいよファイトの開始です。そして、ファイトを最も円滑にするテクニックがポンピングなのです。

ハーネスには、ショルダー・タイプ、キドニー・タイプ、バケット・タイプ等があります。ハーネス・ベルトをリールのハーネス・ラグに接続し、全身でポンピングをして、ラインを巻き取るわけです。
いずれにせよ、ハーネスは自分の体に合わせてベルトの長さを調整し、リール・ハンドルの位置とアングラ−の腕の長さ、それに竿尻を支えるジンバル・ソケットとの位置バランスに注意し、楽な姿勢でポンピングができるようにしておかなければなりません。
ファイティング・チェア−が無い場合は、ファイティング・シートかロッド・ベルト(ファイティング・ベルト)を使用します。
ファイティング・チェア−は、通常、高さを調整できるフット・ステップと、取り外しが可能な背もたれが付いています。フット・ステップで足を支えることにより、激しい巨魚の引きに耐えることができます。
魚とのファイトが始まると、先ほども述べましたように、アングラ−はフット・ステップで足をふんばり、上半身を後方に反らしてハーネスでロッドを支え、魚の引きに耐えます。そして、ゆっくりとロッドを立て、ラインをできるだけ溜めると、素早く上半身とロッドを前に倒します。このダウンストロークの間に、ラインを素早く巻き取るのです。ダウンストロークの間は、いわば弛んだラインを手段よく巻き取ることになり、ライン自体にはほとんどテンション(張力)はかかっていません。このポンピング動作を繰り返し、リーダーマンの手にリーダーが届くところまでファイトを続けるわけです。
ポンピングを続け、ラインを巻き取る間(ファイト中)は、ラインが弛まないように心掛けて下さい。一定のプレッシャーをラインにかけておかないと、カジキがジャンプをした際や、急反転した際にフックが外れることがあります。カジキがジャンプしたり、ボートに向かって泳いできた時はポンピングをしなくてもラインを巻き取れます。この時はロッドを前に倒したまま素早くリールを巻きます。

 
ファイティング・チェアーとアングラー
ファイティング・チェアーは、ビッグゲームの際に、アングラ−が足と背中の筋肉を効率よく使えるように開発されたものです。乗船時に、まずアングラ−はファイティング・チェア−のフット・ステップの長さと角度を調整しておきます。同時に、チェアーに座り、ジンバル・ソケットに竿尻を固定し、ハーネス・ベルトをリールのハーネス・ラグに接続する際の長さも調整しておきます。
 
 
<ポンピングの実際>
アングラ−は1の位置から2の位置まで上半身を反らし、ロッドを立てる。このポンピング・ストロークで1のロッド・チップから2のロッド・チップの位置までラインが溜められたことになる。ロッドを有効角度一杯に溜めた後3上半身を4の位置にまで戻しながらラインを巻く。このダウンストロークの際に、1から3の間に溜めたラインを全て巻き取る。ラインを巻き取るスピードと、ロッドを戻すスピードを同じにすれば、ラインにテンション(張力)はかからず、何の抵抗も無く、スムーズにラインを巻き取ることができる。
 
 
<各種ハーネスと、竿尻を支えるためのロッド・ベルト、簡易ファイティング・チェア−のセット例>
イラスト左より、キドニー・ハーネスとロッド・ベルト(ファイティング・ベルト、スタンド・アップ・ベルトともいう)にロッドをセットした図。ショルダー・ハーネスとロッドベルトにセットした図(中)。ショルダー・ハーネスと簡易ファイティング・チェア−(シート)にセットしようとする図(右)。
※ファイティング・シートはビッグゲームに用いられるが、ロッド・ベルトは主にライト・タックルに用いられる。
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Part6
ポイントの発見、及び操船
Where are the Fishes? Trolling for the Big One

ビッグゲームの対象となるカジキ等の大型回遊魚が、日本近海に回遊してくる時期と場所には、毎年かなりの変化があります。それは黒潮の動きに伴なう潮温の変化によるわけですが、近年よく耳にする「冷水塊」や、地球的規模での海流の循環変化にも大きく影響されています。海況等の条件から、私たちアマチュアのスポーツ・アングラーが日本の沿岸でチャレンジできる時期は、沖縄以外の海では4月から10月頃となります。1月から3月にかけての三宅島や御蔵島沖では、マカジキ(50〜100kg)やビンチョウマグロ(20〜30kg)のベストシーズンであり、300kgに達するクロマグロも八丈島沖に回遊してきます。しかし、厳冬期の西風の強い荒海での釣りはアマチュア向きとは言えないでしょう。前章までで、必要なボート装備やタックルの概要を紹介してきましたが、いよいよフィールドでの、ビッグゲームの実際を追ってみることにしましょう。

関東沿岸でのビッグゲームの入門コースは、4月から5月、水温が18°C以上に上昇する頃、上りガツオと共に回遊してくる小型マカジキ(20〜40kg)となるでしょう。俗に「シンメ(新芽)」とも呼ばれるこの時期のマカジキは、群れをなして回遊しているため、3〜4尾が同時にヒットすることもあります。大島沖から、利島、三宅島まわりがそのフィールドとなります。<br>
 水温が22°C以上になると、待望のビッグゲームのメイン・ターゲットとも言えるクロカジキ(ブルー・マ−リン)が回遊してきます。海が穏やかになる梅雨明けの7月下旬から、23〜26°Cの高水温で安定しだす旧盆過ぎ頃が、ビッグゲーム・トローリングのベスト・シーズンとなります(ちなみに1977年の6月に、南伊豆で609kgのクロカジキが職漁者の突きん棒で記録されています)。
他の多くの釣りと同様、ビッグゲームも気象や海況から魚の動きを推察し、多くの情報を得ることが確実な釣果につながりますが、同時に、対象魚のいなそうなポイントを捜したり、フック・アップ(ハリ掛かり)させるための操船テクニックが大きなウエイトを占めてきます。また、キャプテンとクルー(リーダー・マンやギャフ・マンの役割を担当する)、それにアングラ−とのチーム・ワークが要求されることも、この釣りの大きな特徴と言えるでしょう。
まず、天候、海流、潮汐および潮流、水温、水色等が、釣行前に取り揃えておきたいデータとなります。このデータの活用が、釣果を大きく左右します。対象魚の適正水温や捕食パターン等を知ることも重要で、これらのデータの蓄積を、釣りの装備に反映させることが必要です。

 
 

●ポイントの捜し方と操船テクニック

例えば、関東近海には伊豆諸島とそれらの島々に付随する瀬があるために、潮の流れも大きく複雑に変化します。
餌となる小魚の行動に合わせ、大型回遊魚の捕食海域も大きく変化します。つまり、カジキの魚影を捜すということは、餌となる魚のポイントを探ることに他なりません。
その際の目安となるポイントは、1. 海底地形と潮の流れ、2.潮目、3. トリヤマ、4. 浮遊物、5. 根付き、瀬付き魚群、などがあります。これらを探すことは、その周辺にカジキ等の大型回遊魚がいる可能性が高いわけで、当然、ストライクのチャンスも多くなります。また直接、カジキが遊泳する際に海面上に垣間見ることのできる尾鰭等を探すことも確実な方法です。
5. は1. の海底地形を知ることにつながります。これは、餌となる小魚の豊富な岩礁や瀬に、小・中型回遊魚の魚群が長く溜まっている状態を言いますが、当然、そのようなポイントには大型回遊魚もよく現れます。
4. は、流木や流れ藻等に付くプランクトンや稚魚、また、それを追って、その陰影に集まる小・中型魚の群れを捜すことにつながります。
このように、一般的に餌となる小魚が多く集まっているポイントとして広く知られている潮目やトリヤマ以外にも、大型回遊魚が居そうな“目印”となるポイントをできるだけ多く捜し出すことが釣果を大きく左右します。広大な洋上を、ただ漫然とルアーを引くのではなく、船上の全員がビッグフィッシュを求めて、前記のような目標物を探すために集中力を発揮することが必要です。同時に、ルアーの引き方、使用するルアーのパターン等にも随時変化を持たせ、効果的にさまざまな条件に対応できるように心掛けたいものです。
出港後、目指す海域に近付くと、アウトリガーを出して、外側の、一番長く流すルアーからセットし始めます。
アウトリガーは、流すルアーどうしを、できるだけ離すことで、ラインの<b>おまつり</b>を防止することを主たる目的として考案されたものです。
使用するライン・クラスが異なる場合は、一番長く流すルアーに最も細いラインを使用し、以下、流すラインが短くなるにつれ太くなるようにします。また、ルアーを流す順序は、遠くに流すルアーから順にセットするようにします。これは、先に流したルアーに、後から流すルアーから絡まないようにするためです。ルアーを海に入れる際は、スカート部(ビニール・ベイト)やフック、それにリーダーやラインに絡みや傷が無いか、充分に注意しながら、ボートの航跡に沿って静かに海に入れます。
アウトリガ−・ラインとフラット・ライン(アウトリガーにセットせず、ロッドから直接引くもの)の標準的な位置関係、および流すラインの長さは図の通りです。また、ルアーを流し始めた直後にストライクがくる場合もありますので、ハーネスやファイティング・チェア−の調整、および、ドラグ・ポジションは事前に入念にチェックしておかねばなりません。
ルアーを引くスピードは、海況やルアーのタイプ、また、キャプテンの好みによって異なりますが、だいたい5〜12ノットの間となります。海が荒れている時はスピードを遅く、また、ルアー以外のデッド・ベイト(5〜6ノット)やライブ・ベルト(2〜3ノット)を使用する際は、更に遅くなります。これは、使用する餌(ルアー、デッド・ベイト、ライブ・ベイト)が、最も自然な状態を演出することにあります。
そして、常にカジキが捕食する際の状況を想定し、対象魚が居そうなポイントと、そこを通過するルアー等の位置関係を、常にベストに持っていくことを心掛けたいものです。高性能のボート、完璧なタックル、実績のあるルアーと、いくら三拍子が揃っていても、肝心のカジキがその近くに居なければ何の意味もありません。カジキの鼻先に、できるだけカジキの近くにルアーをプレゼンテーションすることが最も重要なことなのです。

 

<標準的なルアーの流し方>

※1. と2. 、3. と4. が各々左右逆パターンとなってもよい。海況が穏やかな時は、軽量で動きが大きいタイプ、波の荒い日は、重量があり、動きの少ないタイプのルアーがよい。異なるクラスのラインを使用する場合は遠くに流すものに弱いラインを使用する。また、各層をカバーするために、ルアーはサーフェス・ランナー、サブ・サーフェス、ディ−プ・ダイブ等のタイプを併用するとよい。ルアーの流し方には、あまり一般的ではないが、アウトリガ−・ラインを短く、フラット・ラインを長く取る“Vパターン”もある。

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Part7
ストライク CRASH STRIKE

カ突如、アウトリガ−が大きくしなり、「バシッ」という音と共にラバー・バンドがはじけ飛びました。同時に、「ジー!」というリールのクリック音がけたたましく鳴り響き、ラインが一挙に引き出されます。カジキの大きさやフッキングした位置により、時にはファースト・ランで数百メートルもラインを持って行かれることがあります。胸が高鳴り、最も緊張する瞬間です。ここで慌てずに、確実にフッキングをすることが勝利への第一歩となります。
ジキが大きくジャンプした後も、ラインに強い負担がかかっていれば、フッキングは、ほぼ成功したと言えるでしょう。アングラ−はロッド・ポストからロッドを抜き、ファイティング・チェア−に座りながら、ジンバル・ソケットに竿尻をセットします
ロッド・ホルダーからロッドを抜く際は、ロッドにかかったテンションだけを引き戻す要領で、ロッド・ホルダー内部にかかる横圧力を減じなければ、なかなかロッドは抜き取れません。この際、ドラグを少し緩める方法もありますが、初心者が慌てふためいた状態でドラグを少しだけ緩めることは意外と難しく、時にはドラグを緩めすぎて、バックラッシュといった最悪の事態を招くこともあります。できれば、ストライキング・ポジションからドラグを緩めずに、腕力でロッドを抜き取れるようにコツを覚えておくことが望ましいでしょう。
ロッドをファイティング・チェア−に移す際は、カジキの方向に竿先を向け続けるように心掛けます。 カジキのファースト・ランを制すれば、アングラ−にほぼ勝利が約束されるほどの明暗が、ここにかかっているわけです。この間はドラグに触れてはいけません。
 
 
ファースト・ランがなかなか止まらず、ライン・スプールの径が急激に小さくなるのを見て、慌ててラインの出るのを止めるためにドラグを締めるようなことは絶対に避けねばなりません。スプールの径が小さくなるにつれ、“力のモーメント”の関係で、ドラグ強度はますます強くなっています。つまり、魚がラインを引きだし、ボートから遠ざかるほどにドラグ強度は強くなっているわけですから、この時にドラグを締めることは確実にライン・ブレイクを招いてしまうことになります。また、ラインにかかる水の抵抗もバカになりません。結果、長時間に及ぶ潜行や、ファースト・ランが続く時は、魚とラインの角度に注意し、水圧によるライン・ブレイクに注意しなければなりません。
また、この間に、クルーは他のロッドがファイトの邪魔にならないように、手際良く仕舞わなければなりません。
キャプテンは魚の動きに細心の注意を払い、やや船速を落とし、船尾方向に魚がくるように操船します。そして魚の動きに合わせ、前進・停止・後進を使い分け、ラインにたるみを与えないようにアングラ−をサポートします。
●カジキのビル(吻)は非常に固いので、確実なフッキングは非常に難しいものです。少しでもラインをたるませると、カジキが身をよじり、大きくビルを振った際にフックが外れてしまうことがよくあります。フックを外されないためには、常にラインにテンションを与え続けることが必要です。
●ストライクの直後は、通常、船速を数秒間上げてフッキングを確実なものにしますが、ルアーを軽く吻に引っかけたままボートと同一方向に泳ぎ出した場合は、全速でボートを走らせ、確実にフッキングさせねばなりません。
※ライブ・ベイトの際は、カジキがベイトのカツオを喰わえて泳ぎ始めると、ラインに抵抗を与えないようにしながら充分にラインを送り出します(ドロップ・バック)。ラインが一層早く出始め、カジキが完全にベイトを呑み込んだ頃合を見計らい、ドラグをストライキングに締めると同時に、3秒から10秒ほどボートを全速前進させ、フック・アップをかけます。
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Part8
ファイト JUMP & FIGHT!

完全にフック・アップした後は、いよいよビッグゲームの開始となります。アングラ−はポンピングを繰り返しながら、小刻みにラインをリトリーブ(巻き取ること)して行くわけですが、時にはファイトが長時間に及ぶ場合もあります。しかし、どんなにファイトが長時間に渡ろうとも、IGFAルールでは、アングラ−は誰からも手助けを受けることなくファイトを続けることが要求されています。
記録されているファイティング・タイムの中で最長のものは、HIBT期間中のハワイ島コナ沖で記録された23時間というものです。しかし、この長時間のファイトを続けながら、最終的に魚がランディングされることなくジ・エンドとなったのは寂しい気がします。

ファイト中、キャプテンはアングラ−のリ−リングに注意し、ラインを常に張るように操船することが必要です。アングラ−とキャプテンのコンビネーションが良いと、ボートのリバース・ギアを使い、ラインをたるませることなく、効率良くリトリーブすることができます。
カジキがジャンプした時はボートを前進させ、ジャンプによって生じるラインの緩み(フケ)を防ぎます。同様にカジキがボートに向かって泳いでくるような場合も、前進速度を早めます。これはラインの緩みを防ぐと同時に、カジキの体にラインが巻きつかないようにするためです。
魚の引きが強く、リールからラインが出ている時は、アングラ−は深く座り、ハーネスで魚の引きを支え、魚が力の限り抵抗を続けている間に腕や手を休めて、体力を回復させるくらいの余裕が欲しいものです。

 
 
前章の「ストライク」の項でも述べましたが、水の抵抗によるライン・レジスタンスには非常に大きなものがあります。例えば、マ−リンが15ノットの速力でストライクし、50ポンド・テスト・ラインを500m程引き出したとすると、この時のラインに掛かる抵抗は、何と28ポンドにも達すると推察されています。また、50ポンド・ラインを200m程引き出したマ−リンが、135度のターンを時速9ノットで行うと、リールには5ポンドの張力しか掛からないものの、マ−リンには22ポンドの張力が掛かっていると計算されます。つまり、アングラ−は大した“引き”を感じていなくても、合計すると27ポンドものプレッシャーがラインには掛かっているわけです。それゆえ、大きく弧を描いたラインは、できるだけ早くリトリーブしなければなりません。この際の注意点は、キャプテンは魚を追うのではなく、ラインを追ってボートにリバースをかけることです。このテクニックをマスターすれば、ライン・ブレイクの危険は大幅に減少します。
 
また、フックアップした後に、魚が急旋回したり、左右にボートを追い抜いていった際に(パワフルに、目まぐるしく動いた時)ライン・ブレイクを防ぐ唯一の方法は、フリー・スプールに近い位にドラグを緩め、ラインをスムーズに送り出すことです(ただその際も、ラインには水の抵抗でかなりのプレッシャーが掛かっています)。そして、魚の動きが鈍ったところでドラグを少し上げ、ボートをリバースさせながらラインを素早く巻き取ります。
キャプテンは、アングラ−のファイトと魚の動きに注意し、適切な操船でアングラ−のファイトを助けます。チェア−・マンは魚の引く方向にアングラ−の向きを変えるため、ファイティング・チェア−の水平角度を調整します。
ファイトでは、アングラ−とキャプテン、そしてチェア−・マン達とのチーム・プレイが、勝敗を決定する大きな要素となります。キャプテンは魚とアングラ−のファイトに注意を払い、ラインの角度とテンションを一定に保つように努めます。優秀なキャプテンはファイトが長時間に及ぶ場合は、アングラ−の体力の回復を待つために、魚とラインの均衡を絶妙に保ちつつ、時間を稼ぐコツをわきまえているものです。
マ−リンのファイトは、必ずしも魚体の大きさには比例しません。また、それはフッキングした位置によっても大きく異なります。
 
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Part9
ランディング RELEASE or BOARDING

スリルと疲労の入り混じったファイトも、ようやくフィナーレを迎えようとしています。ダブル・ラインがロッドのトップ・ガイドをくぐり、リーダーまであと僅かとなりました。魚体の重量は既に推察されていますので、タグ&リリース(標識を打って放流する)かボーディング(船内に取り込む)かの判断は終わっています。
タグ&リリースの場合は、タグ・ポールの先端に付けたタグを背鰭基部の筋肉組織に打ちます。小型カジキの際はリーダーを手繰り寄せ、ビルを掴み、フックを外しますが、大型カジキの場合は、リーダーをできるだけフックに近い位置で切断します。フックは海水や胃酸の働きで、短期間で腐蝕してしまいます。
ボーディング(ランディング)の際は、リーダーマンとギャフマンの息の合った作業が必要となります。ここではランディングの実際を紹介しましょう。

 
リーダーマンもギャフマンも、共に、その役割には非常な危険が伴います。手袋は綿と革製品を重ねて使用するくらいの安全策が必要となります。
アングラ−は、ダブル・ラインをリールに巻き込み、リーダーがロッド・チップの間際まで来ると、ロッドを起こしたままで保持し、リーダーマンがリーダーを取りやすくします。リーダーマンとギャフマンは、共に腰を落として重心を低く構え、ボートの揺れと魚の動きに対し、万全の態勢を取ります。決してカジキの動きから目を離してはいけません。
リーダーは、絶対に手に巻きつけないようにして取ります。また万一のジャンプに備え、カジキのビルをギャフマンの正面に引き寄せないように心掛けます。そして、ボートとカジキの動きに合わせて、ギャフを打ちやすいように、ゆっくりとカジキを手繰り寄せます。カジキが暴れる時は無理をせずに、リーダーを放し、最初からやり直すようにします。
アングラ−は、ドラグ強度を適当なポジション(ストライキング・ドラグの2/3〜1/2)に保ち、リーダーマンがいつリーダーを放しても対処できるように構えていなければなりません。リーダーマンがリーダーを掴んだからといって、すぐにロッドを放し、ファイティング・チェア−から降りるようなことがあってはいけません。ファースト・ランの次にライン・ブレイクの危険が伴うのが、このランディングの時なのです。
 

リーダーマン(右)とタグマン。通常、ギャフマンがタギングを担当する。ポールの先には、小さなモリ状のタグが付いている。カジキ類の生態は、年齢、成長、回遊経路等、まだ不明な点が多いが、タギングのおかげで数千キロメートルの移動が確認された例もある。「タグ&リリース・トーナメント」も、スポーツ・アングラ−の間ではポピュラーになりつつあり、今後、再捕報告の増加と共に、不明な点が少しずつ解明されて行くだろう。

  ギャフは必ずフライング・ギャフを使用し、尻手ロープは必ずボートに結んでおきます。
ギャフは背鰭の前端基部の下方、人間でいえば肩に当たる部分か顎の下に、前方から手前に引く要領で打ちます。
アングラ−は、ギャフがしっかりと魚に掛かり、完全にその動きを止めるまでファイティング・チェア−に座り、常に臨戦態勢でいます。
1本のギャフで心もとない時は2本、さらに巨大なカジキでは3本のギャフを打つ場合もあります。
ランディングは、ギャフ・ロープをゆっくりと手繰り寄せ、バットでカジキの頭部(眼の上)を打ち、息が絶えるのを確認してからコックピットに引き上げます。大型カジキの場合は、ビルを掴み、ミート・ギャフ(柄の付いていないギャフ)を下顎に入れて引き上げることもあります。
キャプテンは、常にカジキとボートの間隔を保つと共に、ギャフィングとランディングが最適なポジションで取り行なえるように操船しなければなりません。
無事にカジキをランディングすることに成功すれば、後は冷たいビールかシャンパンの乾杯を交わすばかりです。
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