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グリーン・スティックとティーザー
桑田正彦(くわたまさひこ)

20年ほど前に、高知県土佐清水の漁業者は、キハダマグロを対象として、ピコピコ漁法といわれる水面引きなわ漁具・漁法を考案した。これは、抵抗板(トバセ)として、従来のヒコーキより大きいジャンボヒコーキを用いるので、一般にジャンボ漁法といわれている。表層のカツオやメジを釣るときには、ピンピン釣りという漁法がある。ブリの游泳層が浅い時期に成績のよいブリアバ引き、別名「空中ボンボン釣り」という漁法もある。これらの漁法は、いずれも抵抗体(ヒコーキ、ウキなど)と船尾中央に立てた引きさおの間の道糸に枝糸を取り付けて、ちょうど水面をたたくようにギジ(ルアー)を引くことが似ている。

 
 
 
  わが国の漁業者は、絶えず先進地の視察研修や技術交流を重ねて、漁獲の向上に努めている。ジャンボ引きなわ漁法は、きわめて効率的なことが認められて、急速に全国的に普及していった。そして現在も、全国各地のそれぞれの海域に適した漁具・漁法の改良研究が続けられている。
 
 
この効果的なジャンボ引きなわ漁法はハワイの漁業者に紹介され、まもなくアメリカ本土に伝わっていった。ハワイ・フィッシング・ニュース誌(HFN)によれば、最初に三菱石油化学会社(Mitsubishi Petrochemical Co., Ltd.)のトクダ・ミキオ技術顧問がジャンボ漁法を、そしてパシフィック・ハイタック会社(Pacific Hi-Tack, Inc.)のタカサワ・ヒデヨシ社長がその漁具を紹介して、ハワイの漁業に革命をもたらしたということである。
  ハワイでは、このジャンボ漁法のことをグリーン・スティック・メソッド(green stick method)といっている。グリーン・スティックというのは、船尾の中央部に立てる引きさお(FRP製の長いセンター・アウトリガー)が最初に紹介されたとき、緑色であったところから名付けられたといわれる。したがって、その色が茶色であっても、グリーン・スティックといわれることに変わりはない。グリーン・スティックの先から引くジャンボヒコーキは、バード(Bird)またはティーザー・バード(Teaser bird)、あるいはスプラッシング・フロート(Splashing float)、スレッド(Sled)などといわれる。水面引きなわ漁に用いる抵抗板は、我が国でも形状が多種で、例えばハト型の小さいヒコーキはハトと呼ばれている。
 

引きなわ漁法は、対象魚によって漁具・漁法が異なるが、船を走らせながらエサ(ベイトまたはルアー)を引いて釣る方法のことである。この点は、ロッドとリールのスポーツフィッシングにおけるトローリングの釣りと同じである。我が国の漁業者は、対象魚の習性を十分に研究し、それに適した効率のよい多獲本位の引きなわ漁具・漁法を開発してきた。ロッドとリールのトローリングをする釣り人は、引きなわに学ぶところが多くある。
引きなわに用いるギジは、ジャパニーズ・フェザー・ジグ(japanese feather jig)と呼ばれて世界的に有名である。ジャパニーズ・フェザー・ジグは、魚がかかって暴れると、フック(ハリ)とボディー(本体)が離れるように引き通しになっている。このアイディアは、ハワイのコナ・ヘッド・ルアーの創作に寄与したといわれている。
ハワイおよびアメリカ本土のスポーツアングラーは、日本のジャンボ漁具・漁法のテクニックを、スポーツフィッシングに応用しようとして、種々の研究を進めている。次に、HFN誌、雑誌「漁村」などのジャンボ引きなわを参考として、グリーン・スティック・メソッドについて述べてみよう。

グリーン・スティック・メソッド

船の中央部に真すぐ立てたグリーン・スティック(引きさお)の先端に取り付けたナイロン・ロープ(さお先糸)から、ブレークアウェイ(break away=ハネ切り)を通じて、ハンドライン(手釣り糸)のメイン・ライン(道糸)でバード(ジャンボヒコーキ)を引く。グリーン・スティックとバードの間のメイン・ラインから、数本のダウン・ライン(枝糸)を出して、アーティフィシャル・スクイド(イカベイト)を水面に垂れる。
グリーン・スティックは、約10mのFRP製センター・アウトリガーである。バードは、長さ80cmから110cm、巾が約10cmの角材にウイング(翼)を付けた抵抗板である。初期のバードは、角材に簡単な切り込み加工をしたものであった。次いで、前部と後部に同じ向きのウイングが二枚取り付けられ、さらに、イカベイトの動きをよくするために、メイン・ラインをピンと張る必要から、二枚のウイングをそれぞれ反対の向きに改めた。やがて、より大きい水しぶきと抵抗が得られるように、三枚のウイングを付けたバードが出現した。

 
 
 

バードは、形や大きさが多様であるが、魚が掛かったときに、簡単に沈まない大きさと重さが必要である。引いているときは、後尾の1/3くらい沈むように、鉛のバラスト(ballast)で調整する。材料の木は、クスやマツなどのような比重の重いものがよいとされている。バード自体の重量は、5kgくらいであるが、それを引いて水の抵抗を受けると、40kgから50kgくらいの負荷となり、1mから1.2mくらいの高い水しぶきを上げる。
アーティフィシャル・スクイド(イカベイト)は、内部に同種の少し小さいイカベイトかタコベイトを入れて二重にする。これは、太ったイカに見せるとともに、色の微妙な変化を与える。人工のベイトやルアーは、天候や時間その他によって、効果的な色が異なるので、薄茶、薄赤、オレンジ色など種々の色を用意して、そのときの条件に合った色を使用する。イワシなど小魚を追っているときには、真珠貝のヘッド(ホロまたはカグラ)を付けたものがよい。
ダウン・ライン(枝糸)は、グリーン・スティックとメイン・ライン(道糸)の長さによって、傾斜角度が異なるので、実際に合わせて水面までの長さを決めなければならない。キメジ(10kgから20kg)を対象とするときは、イカベイトがときどき波頭に当たるように、キハダ(30kg以上)は、水面の30cmくらい上を引く長さに調節する。イカベイトの動きをよくするために、リトリービィング・ライン(引き索綱あるいはトッタリ)を引っ張って、メイン・ラインを絶えず動かして、イカベイトを水面上に踊らせる。この場合に、ベイトをあまり前後左右に動揺させないで、上下に踊らせると魚の掛かりがよい。
カツオドリなどの海鳥によって魚群を発見すると、その外側周辺を4ノットから5ノットの速度で引く。引きなわ漁法は、潮の流れと太陽の位置を考えて引かねばならない。船の進路は、潮に向かうか、あるいは潮と水平の方向がよい。太陽に対しては、潮とは反対に、太陽を船尾に受けるか、あるいは直角に受けて引く。太陽の側から魚群に接近すると、船影が魚群の上に映って魚を驚かすことになる。また、魚が太陽に向かってベイトを見る位置では、まぶしくてベイトを見ることもできない。
グリーン・スティック・メソッドで最も重要なものは、スティックそのものといえる。スティックは、抵抗の大きいバードを引いて、キハダやカジキのような強大な魚を釣るために必要な強度がなければならない。そして、大きい魚が掛かったときに、大きな衝撃を吸収する柔軟な弾性がなければならない。この弾性は、バードの荷重が急激に増大する急旋回を可能にするのである。
バードの目的は、第一に、ベイトが水面で上下に踊る動きを維持するために、絶えずメイン・ラインをピンと張る働きをする。第2には、スプラッシング・フロート、あるいはティーザー・バードといわれるように、引くことによって生じる音や白い波が、魚を魅惑して引き寄せるティーザーの役をする。

スポーツフィッシングへの応用

ハワイやアメリカ本土の釣り人やメーカーは、ハワイの漁業者に伝わったこのグリーン・スティック・システムを、ロッドとリールのトローリングのために応用する努力をしている。ハワイ島のコナでは、毎年、チャーター・ボートのキャプテンやアングラーが腕を競うハワイアン・インターナショナル・ビルフィッシュ・トーナメント(HIBT)が行われているが、この大会でもバードの効果は確認されている。また、フロリダのフォート・ローダデール・セミ・アニュアル・ビルフィッシュ・トーナメント(Fort Lauderdale Semi-Annual Billfish Tournament)でも、日本のヒコーキのコピーといえるブーン・バード(Boone Bird)が、ブルー・マーリン(クロカジキ)に抜群の成果をえたので、秘密兵器として多くの人の注目を集めたといわれる。
グリーン・スティック・テクニックをスポーツフィッシングに応用するとき、IGFAのアウトリガーに関するルールを考慮しなければならない。ルールは、他の用具の項の6に規定されている。  アウトリガー、ダウンリガーおよびカイトは、直接か、または他の用具を用いるかのいずれかの方法で、実際のフィッシング・ラインを留めるか、またはリリーズ装置に取り付けることは認められている。しかし、リーダーまたはダブル・ラインには、直接でも、連結用具を用いても、接続することはできないとされている。

 
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