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INTERNATIONAL ANGLING RULES
「IGFAルール」を今一度勉強する
構成/(株)八点鐘 編集部

日本の海も、もうシーズンイン! ビルフィッシュトーナメントをはじめ、様々なスポーツフィッシングトーナメントが各地で開催される。こういったトーナメントに挑戦してやろうと考えているアングラーもきっと多いことだろう。そこで気になるのがほとんどのトーナメントで採用されている「IGFAルール」という釣り規約である。「IGFAルール」そのものは、JGFA(ジャパンゲームフィッシュ協会)会員に配布されるイヤーブックに紹介されているので、今回は特にトーナメントビギナーを対象として、「IGFAルール」の注意点を解説してみたい。

「IGFAルール」とは…

まず最初に断っておきたいのは、「IGFAルール」とはあくまでも「釣り」に関する世界統一ルールだという点である。したがって、その中にはトーナメントにおける採点方法だとか順位の決定方法などについてはまったく触れられていない。スタート&ストップフィッシングの時刻や検量方法なども、もちろん同じだ。こういったトーナメントレギュレーションというものは、当然ながら各トーナメント主催者が個別に設定するものである。「IGFAルール」は単に釣りという行為そのものに関するルールを定めているにすぎないのだ。
もちろん、トーナメントにおいて「IGFAルール」を採用した以上、「IGFAルール」に違反することは、そのままトーナメントにおける失格につながる。だが「IGFAルール」に違反することだけがトーナメントの失格につながるわけではない。これは一例にすぎないが、たとえ「IGFAルール」を順守していても、トーナメント・レギュレーションとして定められた検量受付時刻までに帰着申請手続きをとらなければ、それは失格なのだ。
この辺りに関しては、トーナメント主催者側に責任がある場合が多い。パンフレットにトーナメントルール=「IGFAルール」と記しただけではまったく不充分で、これではどのようにしてそのトーナメントが競われるのかが分からない。主催者側はトーナメント自体のレギュレーションを参加者にしっかりと知らせるべきである。とりあえず「IGFAルール」と明記すれば何とかトーナメントとしての体制が整うなどと考えるのは、もう時代遅れではないだろうか。
トーナメントにおける「IGFAルール」はあくまでもフィッシングという行為に関する基本的なガイドラインにすぎない。ラインクラス別のハンディポイントやタグ&リリースポイントなど、トーナメント主催者側が定めるべき「ルール」も存在するのである。

 

「釣具の規定」では、
ダブルラインとリーダー、フックに気をつける

トローリングにしろ、ルアーキャスティングにしろ、淡水の釣りからソルトウォーターに入ったアングラーがまず最初に戸惑うのが、ダブルラインとリーダーだろう。「IGFAルール」の中にダブルラインとリーダーに関する細かい規定があるために、「IGFAルール」を順守した釣りでは絶対にダブルライン及びリーダーを使用しなければならないと勘違いしている人も多いようだが、実際はあくまで任意であって、強制ではない。ダブルラインにしろリーダーにしろ、使う必要がないのなら別に使わなくてもよいのである。ただ単に使用する場合のルールを定めているにすぎないのだ。
「IGFAルール」というのは元々ビルフィッシングを主としたオフショアのビッグゲームフィッシングを想定して作成されたルールである。そのため、ダブルラインやリーダーといった発想が取り入れられているわけだが、現在のように様々な釣りに対して「IGFAルール」が採用されている状況では、当然ノーリーダー、ノーダブルラインという釣り方もありえる。そんな場合でも、ただ単に使用する場合のルールを定めているにすぎないのだから、別に「IGFAルール」に抵触することはないわけだ。「IGFAルール」というのは、一見排他的なようでありながら、実は非常に柔軟だと言えるだろう。

 
では、「IGFAルール」のどこが難解なのか。ダブルラインとリーダーに関するルールにおいて最も難解なのは、長さについての規定だろう。というのも、ラインクラスによって長さの規定が異なっているからである。ダブルラインとリーダーはそれぞれ
「10kg(20Lb)以下のすべてのラインクラスでは、4.57m(15フィート)以内とする。10kg(20Lb)をこえるすべてのラインクラスは、ダブルラインの長さを9.14m(30フィート)以内とする。」
と規定されている。すなわち、10kg(20Lb)以下のラインクラスであれば、ダブルライン、リーダーともにそれぞれ4.57m(15フィート)以内ならOKで、これより短い分にはまったく差し支えない。
ただし、ダブルラインとリーダーを両方とも使用する場合には、合計の長さにも気をつけなければならない。(イラスト参照)
「10kg(20Lb)以下のすべてのラインクラスでは、ダブルラインとリーダーの合計の長さは6.1m(20フィート)以内でなければならない。10kg(20Lb)をこえるとすべてのラインクラスでは、ダブルラインとリーダーの合計の長さは12.19m(40フィート)以内とする。」
と規定されているからだ。
例えば20Lbラインクラスでダブルラインとリーダーを両方用いる場合、それぞれの長さは規定の4.57m(15フィート)いっぱいまでとることはできない。必ず合計で6.1m(20フィート)以内に収めなければならないのである。つまり、ダブルラインとリーダーのそれぞれを4.57m(15フィート)用いることはできないのだ。
だが考えてみれば、合計で6.1m(20フィート)以内という長さは決して厳しい数字ではない。20Lbラインを用いるような釣りで、ダブルラインとリーダーの合計が6.1m(20フィート)以上に必要になる状況はまずないからだ。
さて、もうひとつ「釣具の規定」の中で解りにくいのがフックに関する規定である。特にシングルフックを2本使用する場合、ベイトフィッシングなのか、あるいはルアーなのかによってリグ(仕掛け)の規定が異なってくる。シングルフックをタンデムで使用する場合、フックアイの間をどちらか大きなフックの長さよりも長くしなければならないという点は共通だが、離してもよい長さがベイトフィッシングとルアーとでは違ってくる。
具体的には、ベイトフィッシングが45.72cm(18インチ)までフックアイ間を離してよいのに対し、ルアーでは30.48cm(12インチ)までと短い。
 

「釣りの規定」では、アングラー以外のタッチに注意する。

「IGFAルール」の中の「釣りの規定」における大原則は、「釣り人は魚がベイトまたはルアーにストライクした時から、他の人の助けを借りないで魚をフックにかけ、ファイトし、そしてギャフをかけるまで1人で魚を寄せなければならない。」という一文に集約されている。より具体的な注意点を挙げるなら、
1 アングラー以外の人間がタックル類に触れてはならないこと。
2 ファイト中、ボートの舷側などにロッドを立て掛け、休んではならないこと。
などがある。1に関しては、ランディング時にリーダーをつかむことはOKだが、もしもダブルラインをつかんだ場合には失格になることを併せて覚えていてほしい。あとは例外として、ファイティング中のアングラーに誰かがハーネスを装着したり、調節したりすることは許されている。
2についての疑問はないだろう。舷側にロッドを立て掛ければ、当然アングラーの負荷は減る。こうなれば、それはアングラーがファイトしているのではなく、ボートがファイトしていることになるのだ。
さらにこれは特にオフショアの釣りで多いアクシデントだが、
「サメ、その他の魚または哺乳動物などにかまれた傷、プロペラなどによって(魚体が)切断された時」 にも失格になる。もしもそのような損傷がなければキャッチに至らなかったかもしれないという論理である。仮にファイト中のカジキにサメが噛み付いたとすれば、それはサメがアングラーに荷担して魚を弱らせたと考えられても仕方がない。しかし、かつてヘミングウェイは次のように記している。
「魚が鮫によって息の根を止められた場合には、たしかに釣り人は魚を仕留めた栄誉を受けるわけにはいかない。しかし、鮫に襲われたのが、手鉤に掛けられた後だったり、あるいは釣人が魚を打ち負かして水夫が鉤素を手に掴んでいた間であったりしたのなら、その釣人が魚を仕留めた栄誉をそっくり自分のものにすべきだと私は考える。魚は身を食いちぎられ血を出して目方が減っているのであり、それを記録に載せねばならないという不利を斟酌すべきではないか。」(朔風社、『ヘミングウェイ釣文学全集』下巻「損なわれた魚について」より引用)
巨大カジキをただ独りで釣り上げた『老人と海』のサンチャゴは、小舟に魚を縛りつけた後、サメの攻撃を受けた。しかし、どうだろう。たとえ魚が変わり果てた姿になっても、サンチャゴ老人の栄誉は何も変わらなかったはずだ。もっとも、こうした魚を記録として認定したり、トーナメントにおいて採点したりすることは紛れもなく「IGFAルール」に違反するが、少なくともアングラーの栄誉は色褪せるものではない。
ルールばかり捕らわれて、本当に大切なものが見えなくなっては本末転倒である。

 
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